富松



「作、ちょっとおいで」


方向音痴2人を捜していたら、目の前に現れた先輩。1年は組の加藤団蔵のお兄さんなのに、先輩は全然弟に似てなくて、細いし物腰が優雅


「先輩、どうしたんですか?」

「さっきそこで浦風くんにあってね。作がまた迷子2人を捜してるって聞いたから」


“お手伝いにきたよ”って優しそうな笑顔を向ける



「や、でも…先輩の手を煩わせるわけには…」

「いーって、作はいつも俺の代わりに留先輩のお手伝いしてるんだから」

「そ、それは…別に」

「まぁ、俺が壊し屋なだけなんだけど…とにかく、俺は少しでも作の役にたちたいの」


“ね、いいでしょ?”ってお願いされたら何も言い返せない


「ありがとう…ございます…」

「礼を言われるほどじゃないって。さてと、いきますか!」


そう言って先輩は俺の手を握った。中3にもなって手をつなぐなんて恥ずかしすぎる!振りほどきたい!でも先輩はものすごく嬉しそうな顔をしてる…もし俺がこの手を払ったら?

((先輩に嫌われるかもしれない))

そう思ったらされるがままでいるしかないんじゃないか…ぐるぐる考えていると、急に先輩は俺の手を離した


「ごめん、作…ついいつもの団蔵達に接するノリで手を繋いじゃって。中3だもん、恥ずかしいよな!」


俺から離れた先輩の手はそのまま先輩の頭上へ行った。きっと俺が恥ずかしがったからだ。先輩を傷つけた…いや、もしかしたら嫌われたかもしれない。そう思ったら居ても立ってもいられなくなって、先輩の服の裾を掴んだ


「…作?」

「先輩、恥ずかしくなんかないです…大丈夫です。…だから」


“手を繋いでください”そう言う前に、俺の左手は温かいものに包まれた


「作、ありがと!」


見上げれば先輩の笑った顔が映った




end



さくべー好きだがきゃらがあまりつかめてない(笑
現ぱろだが気合いを入れれば室町でもいける内容だった…
主人公がさくべーを作と呼ぶのは単純にあたしの携帯で漢字がうまく出なかったからである←




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