「左右田くんっ」
カチャカチャと機械を弄くる左右田くんを呼んだ。しかし反応は返ってこなかったから、近づいてもう一度呼んでみた
「そーだくん」
「…」
「そーだそーだクリームそーだー」
「だああ!うるせぇ!」
“何だよ”と鬱陶しそうな表情を向ける左右田くん。そんな顔しなくてもいいじゃん、傷つくわー何て思いながら近づいた
「暇です」
「俺は暇じゃねぇ」
「あたしは暇」
「知らねーよ」
“これとでも遊んどけ”と投げられたのはモノクマのぬいぐるみ。かわいいけどちょっと重い
「左右田くんが作ったの?」
「んなわけねぇだろ」
「じゃあどうしたの?」
「ゲ、ゲーセン行ったとき取ったんだよ」
「ふーん」
なんかそっぽ向かれたのが気になるけど左右田くんはこのぬいぐるみをくれると言ってくれた。左右田くんからのプレゼント、うれしいなーえへへ。しばらくぬいぐるみを抱き締めながら左右田くんを見ていれば、肩をわなわなと震わせて“いつまで見てんだよ”と左右田くんが真っ赤な顔で睨んできた。かわいい
「だって、左右田くん見るの面白いんだもん」
「はぁ!?」
「だって左右田くんが好きだから」
「な…」
ますます真っ赤な顔になった左右田くん。本当だよ、本当に左右田くんが大好きだよ。そう思いを込めて、左右田くんに近づいて、顔に手を当てた。綺麗で鋭い目つき、ギザギザ尖った歯、かわいい耳、その声、優しい性格…挙げればキリがないくらい左右田くんが大好きよ
「おま、何言って…」
「だあいすき」
ちゅっとリップ音が部屋中に響く。触れた唇は甘くて柔らかい。固まった左右田くんを抱き締めれば、どっどどっどって心音が聞こえた。その後“うわあああ”って叫んであたしを引き剥がす左右田くん。全くかわいいんだから
「大好き、逃がさないんだから」
にやりと笑えば口元を押さえて真っ赤になる左右田くんが見えた
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