後どれくらい、俺達は一緒にいられるかな
「怜恩くん」
暗い部屋で携帯の明かりを頼りにメールを打った。すぐに後ろの俺のベッドの上には名前ちゃんが布団からひょっこり顔を出してこっちを伺う
「寝ないの?」
「んー寝るよー」
「そう言って寝ないじゃん」
生返事をして返したら名前ちゃんのふてくされた返事が返ってきた
「心配してくれてるのー?」
「ちがうしー、ばか。自惚れないで」
そっぽを向いて悪態をつくのは名前ちゃんが恥ずかしいって思っている証拠。図星だったのかなー…自分の体を案じてくれる名前ちゃんがとても愛おしい。だからこそ不安なんだ。あと何年、君とこの幸せな一時を共に過ごせるかなって…君はいつまで俺を好きでてくれるのかなって…いつもなら君が弱音を吐いて俺が“大丈夫”って慰めていたけど、俺だっていつも強いわけじゃないし、むしろ心は名前ちゃんよりもきっと弱い。いつか嫌われるんじゃないかって、びくびくしながら君と接しているんだから
「怜恩くん…?」
「…名前ちゃん、俺さ怖い…よ」
いつか君が俺から離れて行くんじゃないかって…いつか君を自分の手で粉々に砕いてしまうんじゃないかって…涙が頬に伝う時、ふわっと包まれたのはあったかい毛布と君のにおい
「名前ちゃん…?」
「そんなこと、言わないでよ…あたしが、怜恩くんを置いていくわけない、でしょ…!」
「ありがと…」
「あたしだって、怜恩くんが居なくなったら…どうしたらいいか、わかんな…ッ!!」
名前ちゃんの瞳から溢れる涙。その一滴すら愛おしい
「ごめん、泣かせて…」
「本当だよ、アホ…」
「でもありがとーな、名前…その、好きだよ」
「知ってる…」
無邪気に笑う君の唇にそっと触れた。弱くてごめんな。もう弱音は吐かないから、どうか君と…このまま永遠に
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