仲直りしようよ


次の日、学校に行く足取りは重い。なんてゆーかろじに会いにくい。後々考えて昨日のはあたしが悪かったんだろうなーとか思って謝ろとも考えたけど、作兄の大変さを幼い頃から見ていたあたしとしては、あそこで三之助先輩を放置することは作兄の負担を増やすことになるわけで
((何が正解なのかわかんない))
考えても出ない答えに唸っていると、隣を歩くしろちゃんに心配されて大丈夫、とだけつぶやいて笑った

「留季子顔色悪いよ、何か変なもの食べた?」
「やだなぁ四郎兵衛くん。あたし拾い食いなんかしないわよ」

心配そうなしろちゃんを納得させてるうちに学校について、クラスごとに別れた。教室にはいってすぐ近くの席のろじと目が合うけどすぐにそらされた
((ちょっと傷つくんだけど))
こっちは謝ろうと思ってたのにその態度は何なのよ!段々とイライラして席に着くと、委員会で先に学校に来ていた左近が近づいてくる

「おはよう、左近」
「…お前昨日三郎次と何かあった?」
「ちょっと、ね。多分あたしが悪いんだろうけど」
「何したんだよ」
「帰る途中に三之助先輩と会ったのよ。作兄いつも迷子捜索に大変だと思って一緒に帰ろうとしたらろじ怒っちゃって」

ろじと帰っても話題とか無いし、つまんなかったから気分転換になるかなって誘ったの、と笑いながら左近に話すと真剣な顔つきでそうか、と呟いてため息を付いた

「三郎次はお前と帰りたかったんだよ」
「なんで?」
「…お前鈍感すぎ」
「何おう」
「どうせ三之助先輩のことしか見えてなかったんだろ」
「べ、別にあたしは三之助先輩が好きってわけじゃ…」
「ちょっとは三郎次の気持ちも考えてやれよ」

額を突っつきながら本日2度目のため息を付く左近にちょっとむっとしながら三郎次の方を向いた。久作と楽しそうに話してる三郎次は目が合うとちょっと悲しそうな目をしながらすぐに視線をそらす。いつもケンカばっかりだけどすれ違いはつらい
((苦しいなぁ))
ルーズリーフとボールペンを取り出してさらさらと字を書いていく。その書いた手紙を左近に渡した

「俺は伝書鳩じゃないぞ」
「…おねがい、左近」

手を合わせて頼むと、左近は小さくため息を付いてその手紙を三郎次の元に届けに行った。口では上手く言えないから、その紙に込めた気持ち。伝わるだろうか。しばらくして左近が戻ってきて、俺は鳩じゃねぇってのと言いながら小さな紙切れを渡した。そこに書かれていたのは…

【ゆるすか、ばーか!だけど暇だから今日も一緒に帰ってやるよ】

「何それー…」
「まぁ、あいつらしいんじゃないの?」

2人でクスクス笑って、三郎次に向けて飛行機を折って飛ばした。書かれている言葉は【ありがとう】ろじのもとに飛んでいけ





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