しろちゃんを引っ張って学校に着くと見知った顔ぶれが姿を表した
「今日もばたばたしてたのか?」
「髪ぼさぼさだぞ留季子」
「え、うっそ…」
しろちゃんとは教室が違うからばいばいして三郎次と久作に話しかけられて教室に入る
「ぼさぼさだったの見られたかなぁ…」
「誰にさ」
「別にろじには関係ないでしょ」
そう言って鞄をおいて窓辺に行き景色を眺める
「関係ないって俺はお前がっ」
「あたしが?」
「…何でもねぇよ!」
「なんで逆ギレしてんのよ。ろじったら変なの」
そう言うとなんか言いたそうにこっちを向いたが久作がなだめてるのが見えた。ろじってばたまによく分かんない。変なの
「そう言えば左近は?」
「お前同じアパートなのに左近は見てこなかったのかよ」
「それを言うなら久作にも非があるでしょ、久ちゃんこそ左近見てこなかったわけ?」
「見なかったけど…」
「と、なると…」
左近の家は何かと不運が起こる家らしく、今日も何かやらかしてるのかなと久作と一緒にため息をついた瞬間、がらっと教室の扉が開き、びしょ濡れの左近が目に入った
「さ、左近大丈夫?」
「今日はどうした」
「弟達を幼稚園に送る途中、弟達が転んで、こそまではまだよかったんだ。でもいつもは車なんか通らない狭い路上を歩いてたのに急に車がきて跳ねられそうになったのをよけたら下水に落ちた」
「「不運だな」」
ろじと久作が声を合わせて言うと左近は目を光らせて睨んでいる
「はいはい、けんかしなーい。左近あたしのタオルかしてあげるからとりあえず拭きなよ、びっしょびしょじゃん」
「お、おう…さんきゅー」
「ろじか久作、見てないで左近に体操着とか貸してあげなよーかわいそうでしょ。ほら左近は着替える着替える」
「どうすんだよ」
「乾かしとけばいいじゃん。そんで乾いたら着なよ」
左近からズボンと靴下をもらってロッカーに入れっぱなしだった洗濯ばさみを取り出して乾かす
((しばらくすれば着れるようになるでしょ))
そう思ったときはた、と三郎次以外の2人が視線をこっちに向けてるのに気がついた
「何」
「いや、留季子、家で家事してるだけあるなーって」
「いつもいつもお節介だな」
「はいはい。お節介で結構です。てか三郎次はなんでこっち見んのよ」
「いや、お前も一応女なんだな」
「どーゆー意味だそれ」
「普段がさつな癖に女っぽいとこもあるんだなーって…」
「はいはい、がさつですいませんね」
「ほ、褒めてんだろ!」
「褒めてねーし。貶されてる気分です!」
「三郎次って一言多いからだめなんだよね」
「そうだよなー」
左近の不運ぶりに世話焼いたり、久作と仲良くしたり、三郎次とケンカしたりしながら1日は過ぎていく
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