寂しいな



昨日衝撃的なことがあったから、学校に来て正義くんに会うのがすごく恥ずかしい。でも会いたい気持ちもある。あって“おはよう”って言われて正義くんの笑顔が見たい。それだけで僕は1日頑張れる

((…やだっ女の子みたい))

正義くんを好きになってから思考回路が年中春真っ盛りだななんて思いながら隣にいる藤内を見たら、目があって怪訝な顔つきをされた


「ど、どうしたの?」

「それはこっちの台詞。数馬最近本当に変だよ。ひとりで考え事してると思ったら首振ったり、にやにやしたり…」


((う、僕そんなことしてたんだ))

顔に出すぎだなと思って頬をつねっていると、藤内が“吾妻となんかあった?”なんて聞いてくるからどきりとした。まさか好きなのバレちゃった?


「なんで…」

「数馬がおかしくなったのはここ最近。つまり、吾妻と隣の席になってからだもん。絶対何かあったでしょ?」

「な、ないよ!…たぶん」

「…あやしー。吾妻にいじめられたりとかしてない?」


藤内は僕を心配してくれて言ってるのはわかってる。でも自分の大好きな人を悪く言われるのはいい気はしないし、寂しいとも思った

((仲良くなって欲しいな…))

その一心で肩を揺さぶる藤内の手に触れて“正義くんはそんな人じゃないよ”と口を開いた


「正義くん…て」

「正義くんは確かに不良だけど優しい所もあるの藤内だってみたでしょ?悪く言うの止めて」

「数馬、どうしちゃったの?だって吾妻は…」

「不良だからって全部を否定するのは良くないよ」

「…まさか数馬、吾妻が好きなの?」

「っ!そ、そんなこと」

「そうなんだね。吾妻のこと“正義くん”なんて呼んで親しげにして、確かに隣の席だからなんかあるかもしれないと思ったらそーゆーことだったんだ」

「藤内…」

「…いやだよ数馬!吾妻を好きになるなんてやだ!考え直してよ!」


涙目で訴える藤内を僕はただ抱きしめることしか出来なかった

((正義くん、僕どうしたらいいのかな?))





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