放課後の教室。忘れ物を取りに戻ると教室に人影が見えた。誰かと思ったら絶賛お昼寝中の正義くんだったから焦った
((正義くんの髪、きらきら輝いてる))
夕日に照らされてまぶしく光る正義くんにちょっと見とれながら、用事を思い出して起こさないように近づいた
「わっと!」
次の瞬間、机に足を引っかけて思いっきり転んでしまった
「…あいたたた、ん?」
なんとか態勢を立て直した時に気がついた。寝ている正義くんと目と鼻の先で、顔に一気に熱が集まった
((ち、ちかいー!僕何やってんの!?))
とにかく慌て離れようとしたら腕を引っ張られて再び正義くんの顔の近く。訳わかんなくてパニックを起こしていると寝ていたはずの正義くんと目があった
「人の寝込みに襲うとは大胆なんだな」
「ち、違っ!!事故だよ、事故っ」
「へー…」
正義くんは信じてない様子でにやにやと含み笑いをしている。そんなニヒルな表情もかっこいいの正義くんは絵になるのだ
「とにかく、腕はなして」
「やだ」
「なんでっ…あ」
ぐいっと引っ張られて動けない。唇がくっつきそうだ。やめてやめて、そんなことしちゃったら僕正義くんを見れなくなっちゃう
((心臓の音、聞こえるーっ!))
「やっぱりお前、綺麗だな」
「へ!?」
「綺麗な目してる。吸い込まれそう」
「な、ななな…」
「それとかわいいよ」
「ばか!男にかわいいって言われても嬉しくないんだから!」
「あはは、わりぃな!」
けらけらと笑って正義くんは手を離してくれた。本当に、本当にキスしちゃうんじゃないかってどきどきした。ちらっと正義くんを見るとまるで僕の考えを分かってるかのようににやにやしている。それを見てますます顔に熱が集中する
「2人っきりだな、数馬」
「だ、だから?」
「続き、する?」
「ーっ!正義くんのばかぁ!」
もう恥ずかしさで耐えきれなくて、忘れ物を取りに来たのも忘れてそのまま教室を飛び出してしまった
((明日から顔見れないよぅ…))
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