「クレープ食べたいな」
放課後の街中、目の前にいる3人に向けて言葉を放つと、俺もとルフィが振り向いて挙手をした。
「俺は甘いもんだめだから麦わら屋と食えよ」
「はーい。じゃあキッド」
「あんだよ」
「買ってきて」
ハートマークを付けながらそうやってお願いすれば、キッドは一瞬たじろぐもすぐに嫌だと言った。
「えー1人じゃ行けなーい」
「麦わらと行けよ」
「ルフィと行ったら余計な物まで買っちゃうじゃん」
「確かにな。マリアが保健体育に付き合ってくれるなら行ってやってもいいぜ?」
「な、何言って…」
「ロー、今は保健体育じゃなくて数学が正しいんだよ」
「…なんでだ」
「おっきいコンパスと定規を使うんだよ」
「ふーん。じゃあ数学しようぜ」
「お前は黙ってろ。とにかく俺は行かないからな」
「ちぇーじゃあ1人で行くよ」
けちなキッドに折れてしょうがなく1人でクレープを買いに行った。混み合う人混みを避けて通りながら進んで、あと少しでみんなの元にたどり着くと思ったときに、急に目の前に知らない男の子達が立ちはだかった。
「君かわいいねー高校生?」
「はぁ」
「クレープ2つも食べるの?食いしん坊だね」
「あ、片っぽ友達ので…」
「俺らさぁ、暇してるんだー。良かったら遊ばない?」
「もっと美味しいもの食べに行こうよ」
「えっと…」
「おい」
にやけた口元から次々と出る誘い文句にどうしようかと困っていたら目の前にはいつの間にかローが立っていた。なんだか殺気が出ているのは気のせい?
「俺のもんに手ぇだしたら潰す」
「え、ちょっとロー!?」
ローが何を言ってたかよくわからなかったけどいつの間にかルフィとキッドのところにつれてこられて、片手に持っていたクレープをローがルフィに差し出した。
「マリア買ってくれたのか!ありがとう!」
「いーえー」
自分もクレープを頬張り食べながら隣のローを見ると未だに殺気を出してあたしを睨んでいた。
「捕まってんじゃねぇよ」
「捕まってたって、あっちが話しかけてきたんだからしょうがないじゃん。舌打ちすんな!」
「お前ナンパされたのかよ。大丈夫か?」
「あれ、ローがいつもされてる俗に言うナンパか!」
「分かってなかったのかよ」
「俺はいいんだよ。とにかく無事で良かったな」
ふっと鼻で笑うローに不覚にもどきりとして、意外といいとこあるじゃんとか思っちゃったりして、それを隠すためにクレープを勢いよく頬張り咽せそうになった。ところで気になっていることが1つ。
「ローいつまであたしの腰触ってるわけ?」
「意外といい腰だな。好みだぜ。あとは胸があれば完璧だな」
前言撤回。トラファルガー・ローはただのド変態だった
「おらトラファルガー!離せこら!」
「断る」
「いや、離せよマジで」
「クレープんめー!」