07
「ふにゃぁ、お腹すいたぁ」
「おれもー」

授業が終わり休み時間になると、急激に襲ってくる疲労感と空腹感。机に突っ伏して文句垂れると、隣のルフィが同じように倒れていた。

「麦わらはいつものこととして、お前体力無いな」
「誰かさんと違って真面目に授業受けてるんですー」
「喧嘩売ってんのか」
「キッドーはらへったぁ」
「ポッキーならあるぞ」
「マジ!ユースタス様そのポッキーくださいまし!」
「できねぇ相談だな」

そう言うとキッドはルフィにはポッキーをあげてあたしにはくれなかった。

((ひどいよぅ))

いつもの意地悪なんだろうけどちょっと本気で凹んじゃってたら目の前にポッキーのパッケージが映って、焦った顔のキッドがいた。

「冗談だよ。いじめて悪かった」
「くれるの…?」
「…おぅ」
「…ありがと」

涙を拭いてポッキーを口へと運ぶ。うん、おいしい。やっぱり糖分吸収しないとだめだね。

「キッドも食べて食べて」
「そんな慌てなくても食ってるっつーの、ったく」
「えへへ、おいしいなぁ」

そうやってキッドとポッキーを食べているとローがやってきてふっと、鼻で笑った。

「ユースタス屋の口から【ポッキー】って言葉が出るとはな。笑えるぜ」
「どーゆー意味だよ」
「女とお菓子食べるとか女子会かよ」
「んだと、こっちはトッポもあるっつーの!最後までチョコたっぷりだ、こら!」
「わートッポもあるの?キッドすごーい」
「お、おぅ」
「ねねね、ポッキーゲームしよ」
「はぁ!?」
「だめ?」
「っ!だめっつーかなんつーかだなぁ…」
「じゃああたしが食べるからキッド待つ方ね、あーん」

そう言った瞬間、ローが机を蹴ってお菓子が散らばった。

「おい、もったいないことすんなよ」
「麦わら、拾い食いはすんなよ」

散らばったお菓子をひょいひょいと食べるルフィにキッドが制裁する中、スタスタと教室を去ろうとするローを追いかける。

「ちょっと待ってよ!なんであんなこと…」

やっと追いついてローの腕をつかんだ瞬間、思いっきり振り払われた。幼なじみでずっと一緒だったローにそんなことされたの初めてで、びっくりしてしまった。

「ろ、ろぅ…」
「触るな。それから名前を呼ぶんじゃねぇ」
「なんで、あたし悪いこ、としたならあやま…か、らっ!謝るからぁローいなくなちゃやだよう!」

泣いた。子供みたいに久しぶりに教室の隅で大泣きして、キッドもルフィもクラスのみんなもこっちを見てた。こんなところで泣いたら益々ローの迷惑になっちゃうから、早く、早く泣きやまなきゃ、でも、涙溢れてくるよ。ローのそばから走って廊下に逃げようとしたら、強い力に引き寄せられて、気がつけばローの胸の中にいた。

「え、ろぅ…?」
「…くな」
「え?」
「泣いてんじゃねぇよ」

ぎゅうぎゅうに抱きしめられて身動きがとれない。ロー、ローと何回か名前を呼んだけど力を強くなる一方で、苦しくて、でもすごいお互いがどきどきしてるのが聞こえて顔が赤くなってきた

「悪かったな」
「え…」
「泣かせて悪かった」

俺もまだまだ餓鬼だ、とだけ呟いてローはどこかへ行ってしまった

「マリア大丈夫か?ケンカしたのか?」
「ルフィ、ごめんね。大丈夫だから」

とんできたルフィとキッドに何ともないことと、泣いて心配かけちゃったことを謝ってルフィにまたお菓子食べようと誘った。キッドにも声をかけたけど、キッドはローが行った所をずっと見ていた。


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bkm





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