06
お昼寝用のベポ枕を抱いて横たわると、プリントとにらめっこしているキッドが視界に映った。声をかけるわけでもなく、ただじーっとキッドを見ていただけなのに、キッドはペンを置いて“こっち見んな”って睨んできた。

「いーじゃん、減るもんじゃないし」
「気になるんだっつーの」
「あら、キッドくん意外と繊細ね」
「とにかく俺は勉強してるんだから邪魔すんな。早く帰れよ」
「やだ。キッドと帰りたい」
「はぁ!?」
「ローは大学の解剖研究見れるとかって帰っちゃったし、ルフィはナミに連れて行かれちゃったし、一緒に帰る人がいないのっ!」
「…お前友達いないのか」
「いるよ。失礼な!」
「じゃあそいつと帰んなさい」
「わかったよー」

そう言ってキッドを指差して“お友達はキッドだから早く終わらせて一緒に帰ろっ”って言ったら顔を真っ赤にしたユースタスくんがそこにいた。

「キッド、ずっと待ってるからがんばれ」
「お前は本当に…帰れよ!」
「照れんな、照れんな」

笑いながらキッドの髪をいじれば“もうすぐ終わる”と言う声がぽそぽそっと聞こえてきた。キッドは俗に言うツンデレだから仕方ない。そんなキッドを隣でベポを抱きながら見る。

「キッドー」
「なんだよ。後少しだからちょっと待てって」
「ありがとね」
「なにがだよ」
「だーいすき」

次の瞬間キッドはペンを落として真っ赤な顔で目を見開いてあたしを見ていた




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