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「な、なあ、マリア」
「んー?」

授業終わり、眠い目をこすって、眠気覚ましにルフィの頬をつねって遊んでいたらキッドに呼ばれた。

「なあに?」
「あ、明日お前暇か?」
「うん、何もないけど」
「えい、がに行かないか?」
「映画!?」
「キラーと行く予定だったんだが、あいつ行けなくなっちまってだな…」
「マジで!いくーぅ!」

キッドから映画誘われるなんて願ってもないこと!それにチケットは丁度見たい映画だった。1人できゃっきゃきゃっきゃと喜んでいると後ろから来る急な重みと“何騒いでんだ”と言う低い声に振り返らざるを得なくなった。まぁ犯人は見なくてもわかる。ローだ。

「な、何でもねぇよ!」
「お前に聞いてねぇだろユースタス屋。で、マリアは何騒いでんだよ」
「キッドが映画見ようって」

そう言えばキッドは顔を手で覆って“あ゙ー”と呟いていた。なーぜー…。

「何だよ、ユースタス屋。#name1#とデートか。物好きだな」
「バカ!ちげーよ!」
「物好きってどーゆー意味さ」
「デートじゃねえなら俺も行って良いよな?」
「は?」
「え?ロー映画見たいの?」
「あぁ、ポルノ見ようぜ」
「やだー!あたし【戦え!チョッパーマン】見たいもん!」
「…ガキかよ」
「ガキでいいもん!」
「つかてめぇも来るのかよ!」

ローの発言にしばらく呆然としていたキッドはいつの間にか復活してなぜかルフィの頭を殴っていた。それでもルフィ起きないけど。

「なんだ?ユースタス屋。何でもないなら俺が増えたってかわまねぇだろ?それともマリアと2人っきりでデートしたかったのかよ?」
「デートなの、キッド?」
「ち…ちちちげえってんだろ!」
「決まりだな」
「じゃあ3人で行くのもなんだし、ルフィも誘って4人で見に行こうよ!」
「はぁ!?」
「…いい意見だな。マリア」
「でしょー!?ルフィ起きて!ポップコーン食べにいこう!」
「何、食う!」

あれほど叩かれても抓られても起きなかったルフィはポップコーンと言う単語を出したとたん元気よく起き上がった。

「ん、マリアなんでポップコーンなんだ?」
「明日映画見に行こうってキッドが」
「映画!?じゃあ俺【ほねほねブルックvsサイボーグフランキー】が見たいぞ!」
「えー【戦え!チョッパーマン】がいいー」
「【愛の牢獄】見ようぜ」
「「絶対やだ」」
「お前らガキだな」

やんややんやと3人で揉め合う中、キッドはため息をついていった。みんなで行くのいやだったかな、なんて思って声をかけようとすれば先に気づいたキッドが“そんな顔すんじゃねぇ”って頬杖ついてそっぽを向きながら言ってきた。

「キッドー」
「…んだよ」
「だいすき」
「―――――…そうかよ」

笑ったように見えた。


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bkm





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