04



『やすとも、わたしね…おっきくなってもやすともといっしょにいたいよ』

『アァン?いるンじゃナァイ。だってオメーとおれは“おさななじみ”だからナァ』

『っ…うん!』


目を開ければ、白い天井が見えた。なんつー懐かしい夢見てンだヨ、俺は。体を起こして、少しだけ痛んだ頭を触ろうと手を動かせば、何かに触れた。横を見れば美琴が寝ている。コイツは本当に…


「おい、おいこら。美琴チャン」

「んぁ?なぁに荒北」

「なに人の部屋に勝手に入ってんだヨ」

「荒北と一緒に学校行こうと思って起こしに来たの」

「それで寝てるってどう言うことだヨ」


時計を見ればすでに登校時間は過ぎていた。遅刻確定だ。意味ねぇ…なんて思っていれば、美琴は“あはは。荒北遅刻ね”なんて笑っている。オメーもだよバァカ


「ねぇ、荒北」

「なンだヨ」

「学校、サボっちゃおうよ」

「…ハァ?」

「遊びにいこう!」


笑顔で言う美琴にますます頭が痛い。今日は確かに部活ねぇし、サボってもいいけどナァ…


「ねぇ、荒北」

「アー分かったヨ。サボリでも何でもすればいいンじゃナァイ」

「やったー!じゃあデートだね!」


ベッドから出て服を着替えようとしたら、“デート”と言う単語が聞こえてきて思わず振り向いた。美琴はニコニコしている。そして、“どこに行こうか?”なんて俺の手を掴んだ


「…着替えるから待ってろヨ」


そっと、その手を払えば、“外で待ってるね”なんて、美琴チャンは部屋から出て行った。全く、美琴チャンには本当に参るぜ…


「美琴」

「あれ?荒北制服なの?」

「お前も制服じゃナァイ」

「部活あるの?」

「ねぇヨ」


別にこれといった意味は無い。が、何となく美琴に合わせたかった。返答に困っていれば、美琴は笑顔で俺の腕に絡まってきて“制服デートだね”なんて言うから顔があちぃ…


「…バァカ」

「…何照れてんの?」

「照れてねぇヨ!行くぞ!」


イライラして手を振り払ったのに、美琴は後ろからついてきてすぐに腕を絡めてきた。クッソ、まるでカップルみたいじゃナァイ?まぁ、悪い気はしねぇヨ。アー…俺本当に絆されてンナァ…まぁ、美琴が楽しそうだから良いけどな






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