05



ご飯を食べている途中、リーバー班長に呼ばれて食事後、こいつを抱いて科学班の元へ。一応こいつが退行してたから一週間が過ぎたがら身体検査をするってことになったらしい

((早く元に戻って欲しいさ))

あの子を預かってから記録の邪魔だし、それに伴って睡眠時間も大幅に削られて連日睡魔と戦いまくってる。ため息を零すと目の前に現れたマグカップと細い生足。びっくりして起きるとリナリーだった


「リナリーか、びっくりしたさ…」

「なんでびっくりするの。はい、ラビのコーヒー」

「リナリーありがとうさ…」


受け取ったコーヒーを口に含むと苦味が広がった。目の前には半泣きになりながらコムイにしがみついて検査を受けている女の子。俺いなくてもなんとかなるんじゃない?とか思うけど何度も目線が合う。俺の顔を見る度に笑顔になってまた検査で泣きそうになるのを見て、こんなに表情をころころ変えてめんどくさくないんかなぁとか思った。また口にコーヒーを含む。苦味が口内を駆け巡った。まるで今の状況みたいさ。すきだ、なんて気持ちもわからないまま退行して、全く無知で無垢の女の子のお世話をして、俺の気持ちはどうなったんさ。リナリーからもらった角砂糖を入れたらあっと言う間に溶けて消えた。まるで俺の感情みたいだと思い、すぐにコーヒーを飲み干した。甘い、甘さが残った


「らびー!」


検査が終わってすぐに駆け寄ってきた小さな体を抱き抱えると、リナリーに“仲良しね”なんて微笑ましそうに言われた。こっちの心境は誰一人としてわからないだろう。ぎゅうぎゅうと抱きしめてくる小さな体を少しだけ強く抱きしめた。耳元のピアス同士が当たって小さく金属音が響いた


「ラビ、検査結果はまた後日教えるから一緒に来てね」

「りょーかい」


いつも通りへらへら笑ってその場を後にした。お姫様は安心したように俺の胸で寝ている。鼻を摘んでしまおうか…といたずら心が芽生えたけどやめて置いた。さっき、リナリーを見てびっくりしたのはあいつが元に戻ったのだと思ったから、そんなはず無いのに…ここにいるのに、俺は狂って来ているんかも知れないさ





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