威光な彼女



夕焼け空が綺麗な放課後、愛しいお姫様を迎えに行くために訪れたのは生徒会室。本当はこんな所苦手な場所さ、だって風紀委員会も近くにあって出来れば近付きたくない場所さ。でもレインが生徒会室で今日は執務に追われてるらしく籠城中らしいさ


「あら、ラビいらっしゃい」


ドアを開ければセミロングヘアを靡かせながらお茶出しをするリナリーの姿があり、その部屋の奥にレインがいた


「まだかかりそうさ?」

「多分もうすぐ終わるわよ。今日も一緒に帰るの?」

「もう遅い時間なのに1人で帰したら危ないさ」

「あら、ラビったら紳士ね」


くすくす笑うリナリーだけど実際は紳士と言うより奴隷とかの方が近い。暴君お姫様に振り回されっぱなしで、付き合えば改善されるかと思えば特に変化無し。悲しくもなってくるさ


「レインー迎えに来たさ」

「うん」


生返事だけが返ってきて、肝心なレインの視線はいまだに大量の書類に向けられている。書類内容を読めば、学校の資金のこととか部活動申請の事とか様々。その1枚1枚を読んではばつをつけたり判子を押したり忙しい


「いつもこんなことしてるんさ?」

「今日は少ない方」

「…これで?」

「学校でかいからしょうがない」

「めんどくさくない?」

「めんどい。でも生徒会長だから」


そう話すレインはいつもかけない眼鏡をかけてるせいもあるかもしれないけどきりりとしていて、凛としていた。そんな普段見慣れない真面目なレインを見て、なんだかどきりと胸が高鳴った。あれさ、ギャップ萌ってやつさね


「レイン、今日は何買って帰るさ?」

「今日は…いらない」

「めずらしいさねー」

「代わりに、ラビ…手繋いで帰ろっ」


それはさっきの凛とした生徒会長であるレインと違っていつものわがままで暴君でだけど愛しいレインの笑顔になっていた

((威光な彼女とかわいい彼女))





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