俺には大切な彼女がいるさ。成績優秀で運動神経がよくて文武両道。学園の生徒会長でもある。おまけにモデル顔負けのスタイルと笑顔がまるで天使のようだと誰かが言ってから“学園のアイドル”とまで祭り上げられたスーパー女子高生である。肩書きからすればハンサムな俺にぴったりの彼女で、誰もが羨む完璧なカップルのはずだけど実際は…
「レイン、レインー」
「んー」
青空広がる屋上で大の字になりお腹を出しながら寝ているレインの姿を見て、持ってきたトロピカルジュースを落としそうになった。スーパー女子高生レインの現実の姿は呑気で横暴で攻撃的で俺を足で使うお姫様なんさ
「起きるさ、レイン」
「ラビーおはよー」
「おはよう。そんなとこでお腹だして寝てたら風邪ひくさ」
「ひかんしーてかジュースー」
「はいはい」
わがままなお姫様にトロピカルジュースを渡すとおいしそうに飲む。どんなに横暴でも本当にレインの食べてるときの笑顔といったらかわいくてかわいくてしょうがないんさ。これが俺のレインを甘やかす訳。リナリーには甘やかさないように言われてるけれどかわいい笑顔を見たら甘やかせずにはいられないんさ
「レイン今日の予定は?」
「放課後リーバー先生とコムイと予算会議ー」
「じゃあ終わるまで待ってるさ」
「なんでー?」
「レインと一緒に帰りたいから!」
「ふーん。わかったぁ、じゃあ一緒に帰ろ!」
今日はミスドに行きたいな、なんて甘えた瞳で言うから返事はもちろんオッケーで、今日も寂しい財布と相談しつつ、レインの笑顔を眺めるんさ
((唯唯な彼氏と彼女))
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