彼女な彼女


告白してから数週間たった。何か変わったかと言えば何も変わらない。いつものようにレインにお菓子を買い与えて、レインが嬉しそうにそれを頬張る。そんなおおかみちゃんの様子を見てかわいいな、と思うだけ。特に何も変わらない。変わらないと思う


「レイン、おいしいさ?」

「うん!すっごくおいしい!」


口の端にクリームがついているけど、そんなこと気にしない勢いでお菓子を食べるレインがとても愛おしく感じる


「喜んでもらえてよかったさ」

「ラビなんでいつもあたしにお菓子くれるの?」

「レインが好きだからさ」


気持ちを込めてそう言った。あんなこともあったし、いい加減分かって欲しいと言う気持ちを込めて、レインが好きなんさと目を見て言うと、しばらく俺の顔を見た後、手に持ってるお菓子を見て、何かを考え始めた。悩んでる姿もかわいいけれど告白してるのに放置されるこっちの身にもなって欲しいさ

((まぁ、レインらしいけれど))

そんなことを思っていたら目の前に差し出されたお菓子。何かと思って目をぱちくりさせるとレインにあげた、さっきレインが頬張ってたお菓子の半分が目の前にある


「おいしいから一緒に食べよ!」

「え、いいの?」

「…ラビと一緒に食べたいの」


俯いて小さな声で言うレインの耳は真っ赤で、こっちまで恥ずかしくなった。ただお菓子を半分こしただけ、でもレインにとってはこれはもしかしたらこの前の答えなのかもしれない


「ありがとうさ、レイン」


笑って頭を撫でるとレインも笑った

((彼女になった彼女))




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