確答な彼氏


最近夢を見る。レインが笑っている夢。何もない世界なのにただレインが笑っている。寝ても覚めてもレインのことを考えてる俺は重症かもしれないさ。自覚して、リナリーに突っつかれて、気持ちを伝えようにも相手はあの暴君。加えてお子様だからとっても厄介なんさ


「レイン、今日はドーナッツを買ってきたさ」

「本当ー?おいしそう!」


いつものように泣け無しのお金でレインのために高いおやつを買ってきて、食べさせる。いつものこと。ただ、少し違うのは今までよりも俺に笑顔を向けてくれるようになったんさ。天真爛漫であったかい笑顔を見ると買ってきてよかったさって思う。同時に期待もしてしまう。もしかしたら少しずつでも俺に心を開いてくれてるのかも知れない。告白したら分かってくれるんじゃないかって思ってしまうんさ


「レインさ、俺のこと好き?」

「なんで?」

「なんでって気になったからさ」

「うーん。好きかな?」

「なんで疑問系?」

「よくわかんない。でもおいしいから好きだよ!」


それはいつも餌付けしてるからですか。甘やかし過ぎたさ?これじゃまるでご主人様とペット。それも良いなと昔は思ってたかもしれないけど、今は本当にレインが気になってて、好きかもしれないから聞いたのにそんな答えってないさ

((なんか本当にペット飼ってる気分さ))


「あーもうこぼしてるさ」


ぼろぼろとこぼれるドーナッツのかけらを拾い上げ、口の端についている食べかすを食べたらすっごくおいしかった。流石高いドーナッツ買っただけある。うまいさ。なんて思っているとびっくりした顔のレインが視界に入った。そしてみるみる顔が赤くなりついにそっぽ向かれた。え、何ですかその反応


「え、レイン?」

「こっち来ないで!」


ドーナッツを握りしめたままダッシュで逃げるレインの足は速い。こんな時でも食べ物を離さないのは流石だと思うけど一体なんなんさ。俺なんかしたさ?


「レインー戻っておいでー」

「ラビ顔見るからやだー」

「顔見んからおいでー」


そう言うとレインはちらっとこっちを見て、そそくさとやってきて隣に座った。また学校は授業中で青空が広がる屋上で何やってるんさとか思うけれど、仕草がかわいいし、レインの行動が面白いから、たまにはいいかと思う。でも授業さぼったからきっとあとでリナリーに怒られるんさ。それもいつものこと、レインの笑顔が見れるんだから安いもんさ。あぁ、俺どれだけレインが好きなんさ


「レイン、好きさ」

「…あたしも好きだよ?」


おずおずと俺の顔をのぞき込むようにしてレインが答えた。頭に疑問符浮かべて、何でそんなこと言うの?って顔してる。可愛いさ


「レイン、ありがとう。でもそーゆー意味じゃないんだけどなー」

「え?どーゆー意味?」

「愛してるって言ったらどうするさ?」

「あたしも愛してるよ?」

「…そうじゃなくて」

「そうじゃなくて?」


レインの肩を持って、見上げるレインの額に軽くキスをした。そうしたらまたびっくりした顔になって、頬が赤く染まる。俺も顔が熱くなってきた。きっとお互いに顔が真っ赤さ


「意味分かったさ?レイン、俺はレインの1番になりたいんさ」


俺の声が屋上に響いた

((好きだと確答する彼氏))


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