レインは私の大切な友人。元気いっぱいで天真爛漫でちょっとわがままだけど頼りになる生徒会長で、授業さぼるのは玉にきずだけどとても大好きな友人。それからラビも私にとって大切な友人。遊び人でチャラチャラしていて、いつも色んな女の子を口説き回っているけど、やるときはやるし、記憶力がいいおかげもあって成績は常に上位。女の子遊びを止めさせるために頼んだレインを見るのも、嫌がらず続けてくれてるし、割と面倒見がいい。そんな2人は仲良しと言うか相棒って感じに見えるんだけど、最近ちょっと様子が変。何が変かって言うとラビが変で女の子遊びをほとんどしなくなったし、いつもぼーっとしてる。今だってぼーっとしながらレインが神田の天ぷらを取ろうとさっきから攻防を続けてるのをいつもなら冷やかしたり、茶々を入れたりするのに何にもせずにぼーっと眺めるだけだった
「ラビ」
「…っと、リナリー何さ?」
「何さじゃないわよ。コーヒー、こぼすわよ」
「おっと…」
慌ててマグカップをテーブルに置いて、ラビは私に笑いかけて、またレイン達を見た。そんな様子を見ながらコーヒーを口に含んでラビに軽い気持ちで“レインが気になるの?”と疑問を投げかけてみた。するとラビは一瞬、体をびくっとさせた後笑いながら“リナリー何を言ってるんさ”とこっちを向いた。こんなに分かり易い性格だったかしら?
「ラビ、嘘が下手になったわね」
「リナリー顔が怖い」
「どう言う意味かしら?」
「ごめんなさい」
「…あなたがちゃんと認めないからでしょ。レインが好きって」
「好きかどうかなんてよく分かんないんさ。ただ、今の関係を壊したくないし、レインには何時までも笑っていて欲しいんさ」
「…伝えてみたらいいじゃない」
「この前伝えたさ。そしたら得意のお子様ぼけで見事に回避されたんさー」
笑いながらそう言うラビは気づいているかしら。レインが時折ラビとあたしを見ていることを。ちょっと寂しそうに、でもあたしと目が合うとそれを隠すように笑うレインは健気だと思う
((ラビの気持ちは絶対無駄じゃないわ…))
そう思いながらコーヒーをまた口に含んだ
((少女Lの疑問は確信に変わる))
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