痴漢撃退!?


みんなでお散歩中、なんだか賑やかってゆーか揉めてる集団を目の前に発見した。1年は組ととなりの女子高生だ


「やほ。なーにしてんの」
「裕飛声かけるの?面倒ごと嫌いじゃん」
「たまにはいいでしょ雷蔵さん」
「で、何揉めてんだ?」

はちがそう聞いた瞬間、2組が同時に“竹谷先輩聞いてください”なんて迫ってくるから、はちは思わず身を仰け反らせている

「兄ちゃん聞いてよ!」
「誰かと思えば弟くんじゃないか」
「俺は気づいてた」
「…ですよねー」
「三郎はあとで殴るとして…」
「なんで!?」
「団蔵、どうした?」

頭をなでながら話を聞こうとすれば、女子高生の面々から“裕飛先輩、は組の味方する!”とかなんとか言い出してまた揉めだした。きりがない

「あーはいはい。贔屓はしないよユキちゃん」
「あ、あたしは別に頭なでて欲しいわけじゃありません!」
「はいはーい。つか女子校は女体化関係ないんだね」

俺らは目下のこと【女子】に変わってしまっているから、女子校も男子に変わるとかあると思ったら女の子のまんまだった

「…先輩方スタイルよくてむかつきます」
「トモミちゃんだっていいでしょ?」
「裕飛先輩嫌みにしか聞こえましぇん」
「ごめんね。おシゲちゃん」
「結局なんで揉めていたのだ?」

兵助の一言で再び言い争いになるのを何とか止めて話を聞けば、なんでも団蔵達が痴漢したとかしないとか…

「痴漢、ね」
「そりゃだめだな」
「痴漢、痴漢…」
「裕飛どうした?」
「団蔵ついに性に興味を持つ時期になったか!」
「裕飛先輩喜ばないでください!深刻な問題です!」
「ごめんごめん。団蔵、痴漢はいかんな」
「ギャグが…」
「ち、ちがうもん!」
「正確に言うと痴漢って言いますか、何というか…」
「なぁに庄左ヱ門くん」
「お風呂場で女子高生と鉢合わせしちゃった時に団蔵が“今は女の子同士だから痴漢じゃない”って言ったことから問題に発展して…」
「団蔵…間違ってないけどだめだぞ」
「はっちゃんの言うとおり、僕達は元々男なんだからそれはだめだなー」
「ごめんなさい」
「はいはい。団蔵謝ったことだし、言い争いは終わりかな?」
「まだでしゅ!」
「あり?」

手をぱんぱん叩いて終わりの合図を出したのにおシゲちゃんがそんなこと言うから派手にこけてしまった

「まだあんの?」
「話には続きがありまして」
「最近女子高生で痴漢が多発してるんです!」
「その犯人が僕達だってユキちゃん達言うんだよ!?ひどいよね!」
「あんた達以外誰がするのよ!」
「まぁまぁ落ち着け、痴漢って錯覚かもしれな「きゃー痴漢!?」
「「え?」」

ユキちゃんと団蔵の言い争いを止めようとした瞬間聞こえた悲鳴、俺達は慌てて現場に直行した

「おい!大丈夫か!?」
「裕飛、そのまま行ったらまずいって」
「なんで?」
「裕飛先輩の痴漢!」
「痴漢は裕飛先輩なの?」
「裕飛先輩になら痴漢されても良いかも!」
「裕飛先輩ー!」
「うおお!?」

慌てて駆けつけた脱衣所ではちの制止も聞かず飛び込んで行ったら裸姿の女子高生に泣きつれて埋もれてしまった

「流石裕飛」
「おっぱいに埋もれるとか幸せだな」
「良いから助けろ!勘ちゃんと三郎!」
「裕飛がデートしてくれるなら」
「じゃあ埋もれてるからいい」
「なんで!?」
「三郎黙ってるのだ」

なんとか助けてもらって話を聞けば、風呂場の外で人影が見えたとか。この女子校を痴漢するとかどんな勇者だとか思っていれば“裕飛先輩失礼です”なんてユキちゃんに言われた。心読まれた

「裕飛先輩痴漢撃退してください!」
「えー…」
「めんどくさがるなよ」
「してくれたら一緒にお風呂はいります!」
「おほー!なにそれ」
「はちの変態」
「変態」
「ちが…!」
「三郎に言われるとか屈辱的だねはっちゃん」
「お礼はいらないけどこのまま放置して団蔵を痴漢されたら困るからな。それに痴漢扱いじゃかわいい団蔵が可哀想だ。やろう」
「理由がムカつきますけどお願いします」
「…トモミちゃん毒舌ぅ」

とにかく痴漢撃退するためにまだそばにいるだろう痴漢をまずは誘き出すことにした
((となるとまずは…))

「おとり作戦だ!」
「なんで俺まで」
「はちくらい巨乳じゃないと寄ってこないと思って」
「雷蔵でもいいじゃん!」
「雷蔵様は捕まえる係りだから」
「僕、捕獲は得意だよ」

なんて言って恐ろしい武器が見えたのはそっとして置こう

「早速実行だ!」
「外に人影が見えるよ」
「いきなり引っかかった!?」
「うりゃあ!団蔵の敵!」
「裕飛裸で外出るな!」
「…おっと」

犯人に飛びかかろうとした瞬間、聞き覚えのある声がして鳥肌が立った
((まさか…))
そう思って湯気が晴れたあと辺りを見てみれば見覚えのある憎らしい顔

「やぁ、裕飛」
「てめぇかよ!」
「何がだい?」

“絶景だね”なんて言われて慌てて後ろからパーカーを持ってきてくれたはちの後ろに隠れて着替えた

「痴漢、お前が…この変態!三郎以下!」
「なんで私も卑下されなきゃならないんだい?」
「痴漢だなんて人聞きが悪いな。俺は通報を受けたから警備にきただけだよ」
「FBIんなことするんすか?」
「はち納得すんな。嘘に決まってんだろ!」
「正確にいうと忍術学園が、女体化した原因を探りに来たんだけどね。裕飛の体、久しぶりに見たよ」
「ぶっ殺す」
「落ち着け裕飛!」
「裕飛先輩、本当に利吉さん嫌いですよね」
「かっこいいのに」
「騙されるなユキちゃん、トモミちゃん。あいつは悪魔だ」
「はいはい、何でも良いけど外にいたおかしな奴らは捕まえておいたからね」
「はぁ!?」

そう言ってあいつは髭面の男達を縄で縛って窓際まで連れてきた。それをみた女子高生は“痴漢だ!”なんて騒ぎ出す

「捕まった感じかな?」
「一件落着だろ?」
「お前、ヤラセじゃねえだろうな?」
「何を疑ってるんだ裕飛。僕がするなら裕飛の部屋に直接忍び込むって」
「ぶっ殺」
「待てって裕飛!」
「離せはち!」
「じゃあ俺はこれでな」

そう言ってあいつは颯爽と居なくなった。なんか、なんか、ムカつく!
((納得いかねぇ!))






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