ねぇ、×××させてよ


『何か悩み事でもあるの?』
「三郎、どう思う?」
「裕飛が振り向いてくれないんだ…」
「そうか、答えは“愚痴る”だ!」
『…八左ヱ門くんって意外と心が狭いんだね』
「な、なぜだ!三郎に助けを求めてもクリアできないなんて!」
「はち、三郎を基準にしてギャルゲーすんの止めなさい。それと三郎きしょい」
「きしょい!?」

女の子になって早くも数ヶ月が経った。生理も慣れたもので、すっかり女の子が板に付いてきている

「俺はこのまま女の子と恋愛出来ないのか…」

…見た目だけ、だが

「ゲームと現実は違うよ、はっちゃん」
「そうだぞ、あんまギャルゲーばっかしてると余計恋愛に疎くなるぜ?」
「でも三郎がこのゲームは女の子の種類が豊富だから攻略出来ればどんな女の子も落とせるって言うからさ」
「その前に僕ら女の子だからね」
「そうだ!だからだ!」
「はぁ!?」

雷蔵の言葉に突然立ち上がった三郎をみんなで見つめた。すると三郎は俺の手を取りきらきらした目で見つめる。正直鬱陶しい

「裕飛も女の子だ」
「そうだけど」
「つまりこのゲームの女の子を全員攻略出来た時、裕飛も攻略出来るも同然なんだ!」
「おい、誰かこの阿呆を叩きのめせ」

そう言った瞬間、雷蔵の鉄拳と兵助の豆腐が飛んできた。豆腐で手が汚れたがそれには目をつぶってあげよう。そんなこと思っていると、いつの間にかゲームしているのは勘ちゃんと兵助になっていて、えろいシーンに突入していた

「お前ら数分ですげえな」
「はち、感動しない。当たり前だから」
「当たり前じゃないよ!裕飛恥ずかしがってよ!」
『優しく、して…』
「裕飛、ここの選択肢はなんだ?」
「俺なら“髪を撫でる”だな」
『なんか、恥ずかしいね…』
「おー当たった!」
「裕飛!しれっと参加しないでったら!」
「はいはい。照れ屋だなぁ雷蔵は。そこがかわいいんだけど」
「…裕飛、ナンパモードになってる」

ち、違うし勘ちゃん!はちもそんな目で見んなよ!

「つか、さぁ…セクロスしたいよね」
「え?ラクロス?」
「えっちだよ。えっち」
「兵助のどうでもいいぼけはスルーするべきじゃないの?」
「三郎、どうでもいいって何なのだ」
「セクロスとラクロスって似てるよね」
「おほー!分かるー」
「とーにーかーくー!俺、えっちしたい」
「ま、またそんなこと言って!」
「だって今女の子だぜ?女の子でしか出来ないことしようじゃないか!」

そう言った瞬間、三郎以外がさっと身を引いた

「ってことで三郎で決定?」
「え!?裕飛ついに私と!?」
「そうだな。たぁくさん鳴けよ?」
「え…」
「いっただきぃ!」
「ぎゃあぁぁぁああああ!!!」

その後三郎は雷蔵に助けを求めて、しばらくは俺に近づきもしませんでした
((冗談なのに))







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