狂歌



「蓮美」


真っ暗な体育館倉庫。そこで響く、愛おしい先輩の声。誰もいない2人だけの世界のような気がして嬉しくなる


「相変わらず綺麗だね」

「ありがとうございます」

「透き通るような肌、鴉の濡れ羽のような髪…その黒真珠のような瞳、総てが愛おしいよ」

「先輩の瞳も素敵です。吸い込まれてしまいそう…いや、吸い込まれたいです」

「かわいいことを言うね。流石蓮美だ。でもこの蓮美の総てが僕だけにならないのが不服だな」


“他の誰にも見られずに監禁してしまえたらいいのにね”なんて囁く赤司先輩に背筋がぞくぞくした。だってそれはあたしも赤司先輩以外見れなくなると言うこと。他の誰1人をこの瞳に宿す必要だって無くなるし、永遠に2人の世界を構築できるんだから素晴らしい考えだ


「あたしも早く赤司先輩だけのものになりたいです。でも世間はそれを許さないでしょう」

「僕らに逆らうなんて…悪い奴らだね」

「でも今でも私は幸せですよ。赤司先輩と共に今こうして居られる。綺麗な瞳にあたしを映して下さるのですから…」

「蓮美は綺麗だよ。穢れない瞳で僕を見てくれる。その黒真珠のような瞳を抉り取って僕のそばにおいておきたいな」

「先輩がしたいならお好きになさってください。私の総ては赤司先輩のもの」


そう言うと赤司先輩はあたしを抱きしめて笑った後首を振った


「違うだろ、蓮美…?」

「あ、征十郎様…」

「忘れるなんていけない子だね。お仕置きだよ」


そう言ったあと、唇に柔らかい感触と軽いリップ音が響いた。それを期に私はまた征十郎様に抱きついた


「こんなのお仕置きになりません」

「じゃあ嫌がるほどしようか」


その言葉を皮きりに2人の甘い時間が始まる。気が狂うほど愛しています、征十郎様







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