地区予選を勝ち進んでついにWCにやってきたあたしたちの学校。あっくんがいれば向かうとこ敵なしだなぁー、なんて思いながら廊下を歩いてると見知った顔が見えたんだ
「あー黒ちーん!」
「…紫原さん?」
見えたのは中学校の時同じチームだった黒ちんで、あたしは嬉しくなって黒ちんのそばまで駆け寄ったんだー
「黒ちん久しぶりー!元気してたー?」
「紫原さんもお元気そうで」
「うん、元気ー!後ろのは火神大我って人ぉ?」
「え?あ?」
黒ちんの後ろにいた変な眉毛の人について聞けばびっくりした顔をして、“黒子、こいつ誰?”って聞いてるー。こいつとか失礼ー!
「こちらは中学校時代のマネージャーだった紫原晶さんです。紫原くんの双子のお姉さんです」
「な、紫原の!?そう言や似てる…?」
「えへへー本当にー!?」
「お、おう…」
「紫原さんは紫原くんより人懐っこいです。それで紫原さん、こっちが僕のチームメイトの火神大我くんです」
「やっぱり火神大我ー!」
「元気いいな、お前」
そう言われてにっこり笑えば、火神は照れたような顔をした。それを見ながら黒ちんに“新しい光?”って聞いたんだー
「そうです」
「峰ちんと似てるねー」
「青峰くんと火神くんは違います」
「違う人なのは知ってるー!」
“バカにしてるのー?”って聞くと“あなたと話すのは疲れます”って黒ちんは苦笑いをしたんだーひどいよねー
「次試合ですね」
「うん。誠凛とー」
「うちですね」
「知ってるー」
「…お前バカにしてる?」
「してないー!変な眉毛!」
「なっ…!」
そう言ってうーって睨んだら、黒ちんがまあまあって言って口を開いた
「確かに、火神くんは変な眉毛ですが…」
「おい黒子!」
「実力はあります」
「…それも知ってるー」
「負けません、紫原さん」
そう言って笑った黒ちんに向き直ったとき、遠くから“晶おねーちゃんどこー”って言う敦の声が聞こえた
「あ、あっくんが探してるからいくねー」
「はい」
「あ、あとね!」
にこりと笑って黒ちんを見た
「敦は負けないよ」
凛と、涼やかな声が確かに響いたんだ
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