「あーつしー」
卒業式、みんなの輪の中にいる敦を呼ぶとあたしを捜すようにキョロキョロした。髪がゆらゆら揺れ動いてかわいいー。そんな敦に後ろから抱きつくとちょっとびっくりしたあと“何ーおねーちゃん”なんてこっちを向いた
「敦、一緒の高校だねー」
「そうだねー」
「また敦と一緒にいられるなんて幸せだなぁー」
ぎゅうぎゅう抱きついてそう呟くと、あっくんは何にも言わなかったけど、頭を撫でてくれたんだー。ふふふー本当に幸せー
「新しい高校行ってもバスケするのー?」
「んーどうだろー」
「あたしあっくんがバスケしてるの見るのすきだなぁー」
「…じゃあする」
2人で手を繋いで学校を出れば桜が舞っていた。まるであたしたちの門出を祝福してくれてるみたいだったなー
「晶もマネージャーするー?」
「んー…してほしい?」
「してほしい」
「じゃあするー」
2人できゃっきゃっしたがら通った中学校までの道のりはもう歩くことはないけれど、今度は新しい高校までの道のりを一緒に歩いていけるんだなぁって思ったら胸がほくほくしてしょうがなかった
「敦ー」
「何ー」
「こっち向いて」
「んー」
お菓子を取り出した敦を向かせてにっこり笑って、背伸びをした。触れたのは敦の鼻ー。離れた後また笑えば敦はきょとんとした顔をした後笑顔になって“やったなー”っと呟いたんだー
「敦だーいすき!」
「俺の方が好きだし」
むくれながらあたしの頬にキスする敦は子供っぽいんだからー。でもそんな子供っぽい敦が、かわいくてかわいくて仕方ないなぁー
「敦だいすきー!」
「わかったよー」
「ずっといっしょね!」
そう。ずーっと一緒だよ。そう言うと敦は繋いでる手の力を強めたんだ
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