おねーちゃんと恋



俺とおねーちゃんはすごく仲良しなんだけど、一時期だけ離れてたことがあったんだよねー。それはおねーちゃんに好きな人が出来た時。正直驚いたし、なんで俺以上に好きな人が出来ちゃうのかわかんなくてイライラしてひねりつぶしたくもなったよ。だけどそいつの話をする晶は見たこともない笑顔で楽しそうに話すから何もいえなくていつしか晶おねーちゃんに触れる回数も話す回数も減っていったんだー。でも…


「あつ、し…」

「晶?」


体育館の隅で体を震わせながら泣いている晶を見つけたときはびっくりしたよー。おねーちゃんが泣くなんて見たことなかったから、慌てて駆け寄ったら、晶は抱きついてきたんだー。晶に触るの久しぶりだしーなんて思いながら話を聞けば、晶、振られたらしい。その瞬間、沸き立つ怒りと晶を慰めなきゃって気持ちが交差して頭の中がぐるぐるして倒れそうになったけどなんとか持ちこたえて晶を抱きしめたんだっけー


「あつし、あつしのこと大好きだよ。でも姉弟でいちゃいちゃしてるの気持ち悪い、って…だから付き合えないからって言われた…」

「何それ…」

「だからあたし、敦とあんまり話しちゃいけないと思って離れたのにでもだめで、大好きだったのにっ、フられちゃったよ!」

「あの2軍のやつだよね。ひねりつぶすよ」

「やめて!傷つけちゃだめ!」


((だめ?晶辛いのに?泣いてるのに?だめってなんで?))

もやもやしたけど泣いてすがるおねーちゃんに免じて、“何もしないよ”と言えば、晶は“ありがとう”って言った。別におねーちゃんがお礼いうことじゃないのにーあいつ本当に救われたなームカつくーとか思いながらおねーちゃんを見たら幸せそうな顔して“やっぱり敦のそばが一番かな”なんてちょーしいいこと言うから、ほっぺをつねってやった


「いはいよー!」

「ちょーしよすぎ。ひねりつぶすよ?」

「出来ないくせにー」

「…じゃあちゅーする」


そう言って晶の額にちゅーすればまた晶は嬉しそうに笑った。やっぱりおねーちゃんは笑ってた方がかわいいー





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