なんだかよくわからないが幼女に惚れられてしまい、抱きつかれている。後ろで爆笑している高尾にどういうことだと問い詰めれば、“よかったね、真ちゃん”なんてまた笑い出した。不愉快だ
「おい、亜季と言ったか」
「うん!あきだお!」
「なぜ俺なんだ」
「なぜ?」
「な、なぜ俺がす、すきなのだ」
好きの単語1つを言うのもとても照れくさい。相手は幼女だと言うのにどういうことなのだ
「しんちゃん!だっこちて」
「な、なぜ俺がそんなこと…」
「おいおい真ちゃん、相手は幼いんだぜ?抱いてやれよ」
「む」
高尾に言われて足元にいる幼女を抱き上げると、“たかいたかーい!”と喜んでいる。少し口元が緩んだ
「幼女はかわいいものだな」
「あっれー?真ちゃんやっと亜季の良さに気がついた?」
「黙れ高尾」
「しんちゃん、あきぼーるあそびしたい!だむだむしたい!」
「亜季、バスケしたいのか?」
「うん!かずなりおにーちゃんとしんちゃんとだむだむしゅる!」
“おりりゅ”と言うから下ろすと、幼女は一目散にバスケットボールが転がっているところまで行ってボールを投げてきた。低くて取れはしなかったが
「しんちゃんだむだむしたい!おしえて」
「体格差が有りすぎるのではないのか?」
「したいっつーんだからさせてやんのが年上の仕事っしょ」
「…そうだな」
こうして幼女とのバスケが始まった
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