「はーちっ!」
とう!と言う意気込みの後、寝ているはちにダイブすると“げふぅ!”と言うなんとも色気のない声が聞こえた
「いてぇよ、裕飛」
「えへへーおはよっ」
「…おはよう」
笑ってほっぺにキスをすれば、はちも笑いながら頭を撫でてくれた。最近、はちにこうやって絡んでることが幸せでたまらない。何でだろうな、いつもやってることなのに
「今日は何する?」
「んー何しようかな」
他愛もない話をしているだけで、胸がふんわりあたたかくなってくる。太陽みたいなはち。かわいいっ!も、もちろん団蔵もかわいよ?かわいくてかわいくて大好き!でもはちに抱く感情と団蔵に抱く感情はちょっと違うんだな
「まだ朝早いな」
「今日早く目覚めたからな」
「裕飛がいつも起こすから寝坊しないな」
「たまーに一緒になって寝ちゃうけどね」
「そうだな」
2人でくすくす笑いながら布団から起き上がる。体格のいいはちに抱っこされると体がすっぽりと収まってしまう
((俺もこんな風になりたかったなぁ))
俺はどっちかって言うとお母さん似だから、お父さんみたいな体格にはなりそうにない。団蔵はまだまだ成長期だからなるだろうけど…学年でひょろい方なのは結構コンプレックスだ
((力は有り余ってるけどなぁー))
はちに抱っこされて降ろされたのは、部屋の中央、テレビの真ん前。はちがテレビをつければ、朝の情報番組が流れた。それを2人で寄り添いながらぼーっと眺める
「今日の占い、はち最下位だってよ」
「わかってるよ。落ち込むから言わないで」
「繊細だなぁ、こんなん別の番組だと1位なんだよ」
そう言ってチャンネルを変えるも、どこもあまりよろしくない結果で苦笑いしてしまった
「ごめん」
「いいよ。裕飛達と居ればいつも1位みたいだから」
「ひゅー!口説き文句ぅー!」
「茶化すなよ」
「…」
「黙るなよ」
「ごめんごめん!…ねぇ」
「うん?」
「冷えてきたね」
「そうだな」
「あっためて」
そう言って笑えば、はちもにっこり笑って抱きしめてくれた。うん、あったけぇ…
「お前らいつまでいちゃついているんだい?」
「朝から熱いね」
「「あ」」
どんと部屋の扉が開いて青筋を出している三郎と顔を赤らめてる雷蔵に抱き合ってるところを見られた
「…着替えますか」
「…だな」
2人で笑っていると“早くな”と三郎に催促された。いつものことだけど、当たり前のことが出来るなんて、なんて素晴らしいんだろうか。きっとこれからもこの関係は変わらないだろうし、変わらずこう思うだろう
((はち、だーいすきっ!))
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