古代ノ王

2014/09/15 18:33

■原曲
悪ノ娘

とおくむかしあるところに
荘厳華麗な王国の
頂点に君臨するは
威光まばゆきモルテル様

絢爛豪華な調度品
国を守るは自動人形(オートマトン)
格闘師範も臣民も
全てが全て彼のもの

永久なる大地に呪いかけ
数多の国を 飲み込んだ
我らに逆らう者たちは
征服してしまえ

「さあ、ひれ伏すがよい!」

王国は 栄えてゆく
鮮やかな彩りで
緑の豊かな楽園は
嗚呼 要塞のように築かれる

古代の王が焦がれるは
民の家族の団らんで
だけども彼の親族は
王座を狙って殺し合い

悲しみにくれる王様は
何も手につかず上の空
師範はそれを見逃さず
拳の迷いを指摘する

兄も弟も憎みあい
姉、妹も恨みあう
王座にたたずむモルテルの
命を奪うため

「余は、強くならなくては」

家族愛 叶わぬ夢
尊き王ゆえ 孤独
国を飛び回る友だけが
嗚呼 非情なさだめを慰める

格闘師範の導きで
敵対国から貢ぎ物
長き対立に終止符を
宴の席が設けられる

和解の匂いに王様は
僅か安らぎを見出だすも
訝る友は忠告する
「あやつの手引きだ、気を付けろ」

友の予感は真(まこと)となり
貢ぎ物から暗殺者
家臣も家族も死に絶えて
裏切り者が迫る

「この 無礼者!」

王国は 滅びてゆく
一夜の奇襲に散り
国土を蝕む呪詛により
嗚呼 敵国もろとも砂と化す

とおくむかしあるところに
栄華を極めた王国の
頂点に君臨してた
威光まばゆきモルテル様

黄金(こがね)の棺に横たわる
王の眠りに時は経ち
砂漠の海に身を隠す
城は朽ちゆく廃墟となる

ついに呪いは形を成し
王はこの世に甦る
途切れた記憶に残された
−使命−に辿りつく

「さあ、ひれ伏すが良い!」

遠き夢 砂漠の華
鮮やかな彩りで
のちの人々はこう語る
嗚呼 彼こそ正に古代ノ王

■備考
モルテルの過去イメージするとやっぱりアマラなんですよ。
解説は次の記事で。

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