白群の矛盾点

2010/12/18 19:08


おかしい、あまりにもおかしすぎる。彼の性格が好むものは、真逆のはずであるのに。


「なぜ、嫌いなはずのしぶい味を好んでたべているの?」


男はあの薄笑いを浮かべて答える。


「眠気が覚めるこの味でなくては、しぶくても意味がないよ」


やはりこの空間内には奇人や変人の類いしかいないのか。男は相も変わらず、ねむけざましをちびちびとやっている。


「すっぱいものは食べないの?」


訊ねれば、どこから出したのかすっぱい味のきのみもその手にしていた。
持ち歩いていたのか。


「でも、不器用だから上手く食べられないんだ。いつもはご主人さまに預けているよ」


なるほど彼は手にしたものを幸せそうに、しかし目も当てられぬほど無惨に食べ散らかした。


「…ああ、またこぼした」


小さなため息が、遠く聞こえた。



スプーンとフォークはまあまあ使えます
(ナイフはぎこちないです、箸上手く使えません)


*
前回に引き続きスーパー不器用のヴォトレ
某はねうまのようにぼろぼろ溢します
白群(びゃくぐん)とはこの色。
ルミナスブルーに引き続き明るい青のタイトルでした


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