世界よ、逆流しろ


6-2



 今から4年前――
 ある一つの鉄箱がアフリカ沖大西洋から引き上げられた。それは丁度100年前のものであった。その棺桶の正体、それは、空条君の5代前の祖父、ジョースターさんのおじいさん《ジョナサン・ジョースター》が死亡した客船に積まれていたものだった。
 発見されたとき、その中身は空っぽだった。奇妙なことに、棺桶は外からではなく、中から鍵がかかる仕様になっていた。
 棺桶の《中身》は一体どこへ消えたのか。なんだったのか。
 ジョースターさんとアヴドゥルさんは、その《中身》を知っていた。そして彼らは《そいつ》を追っていた。
 お察しの通り、棺桶の中に居たのは、《DIO》その人だったのだ。


 とあるカフェテリアの一角で、私達はひとつの机を囲んで座っていた。そこでジョースターさんに告げられた真実に、私は、罪悪感を抱かずにはいられなかった。
 ジョースターさんとアヴドゥルさんの話を素直に聞かなかったり、なかなか信じない空条君の為に、ジョースターさんは自分の《スタンド》を披露した。一台3万円もするポラロイドカメラをアヴドゥルさんが机の上に置くと、ジョースターさんは茨の像の《スタンド》を発現し、カメラを思いきりぶっ叩いたのだった。
 クラッシュされたカメラから現れたのは一枚の写真。ジョースターさんの《スタンド》には念写能力があったのだ。現れた写真には、黄金の髪をもつ一人の男の背中。そして背中越しに画面を睨むようにして男は立っている。その男の左肩には、一つの星型のアザがあった。
 星型のアザを見た空条君は絶句した。ホリィさんもだ。彼らの左肩にも星のアザがあったからだ。ジョースター家の血を引くものには、必ずこのアザがあるのだ。
 しかし、DIOはジョースター家の血を引いているわけじゃあない。DIOは――

「このクソッタレ野郎の首から下はわしの祖父ジョナサン・ジョースターの肉体をのっとったものなのじゃあああ――――あああッ!」

 ジョースターさんは怒りにまかせて怒鳴った。
 ――君が気にする事はないさ、これはゆっくりと生き血を吸って治して行っているんだからな――
 私はそのとき、他の人間の命が奪われていることを知っていてなお、彼の傷が癒えていっていることを喜んだ。首から下は他の人間の体だと言うのに、体を奪って100年間――そして、今も――生き続けていたのに。

(なんて、無知って残酷なの……)

 最低だと、思った。何も知らないくせに、安易なことを考えてしまった自分に、吐き気をもよおす。こんな醜い私は、ジョースターさんから一体どう見えているのだろう。とても、怖かった。
 私は、頭を軽く振って、ジョースターさんの話を聞く体勢に直った。
 DIOが蘇えってから4年、ジョースターさんと空条君の《スタンド》はここ1年以内で発現していた。原因はおそらく《DIO》。昔はどうやら彼は使えなかったらしい。
 私達の《スタンド》能力は世間で言えば《超能力》だ。

「俺とここにいるラッキーのは持って生まれた《幽波紋(スタンド)》だが、貴方たちの能力はDIOの肉体、つまりジョナサンの肉体と見えない糸で結ばれている……DIOの存在があなた方の眠れる能力を呼び覚ましたとしか、今は言えん」

 アヴドゥルさんがそうい言うと、私の方を空条君がチラリと一瞥する。彼の目は眩しすぎて、とても怖いので私は彼が此方を向くと同時に俯いて目を見ないようにした。
 写真はDIO以外周りは闇一色なため、どのような場所なのかはっきり特定できないらしい。私はDIOの館から逃げてきたが、ぶっちゃけ車の中で目を覚ましてアメリカに連れて来られたことくらいしか分からないし、ジョースターさん達と話し合った結果、もしかすると私が逃亡したことによって場所を変えているかもしれないという結論に達し、結局場所は分からぬままなのだ。
 ジョースターさん、アヴドゥルさん、そして私を含めた三人は、空条さん宅にて厄介になることとなった。先程まで重苦しい話をしていたにもかかわらず、次の瞬間には和やかな雰囲気で席を立って歩き出すジョースターさんやホリィさんを見ていると、なんだかとても心がほわほわと軽くなるような気がした。私も、アヴドゥルさんのあとについでジョースターさんについて行く。ちらりと背後を盗み見れば、空条君がのそのそと席から立ち上がって自分の首回りを掻いていたところだった。

(不思議な人)

 粗暴で怖い人かと思ったけれど、なんだか違うようなのだ。
 いつの間にか私の中で、空条君は《不思議な人》認定していたのだった。


 ――また、夜が訪れる。
 部屋の障子をあけ放ち、夕焼けを仰ぎながら、私はため息をついた。

(泣かないと、いいんだけど……)

 自分で思っている以上に、私は涙もろく、そして今は情緒不安定なようだった。だから、自分がいつ泣き出してしまうのか、自分で分からない。何と情けない事か。

(……じっとしてちゃあ、ろくなことを考えない気がする)

 私は、与えられた部屋――空条氏宅、とても広い、豪華、立派過ぎる日本家屋――から出ると、ホリィさんこと、聖子さんがいるであろう台所へと向かった。真っ暗なDIOの館にいた時と比べれば、視界のクリアな空条宅は動きやすいので直ぐに台所を見つける事が出来た。良かった、一応自分の部屋を案内されながら確認していったかいがあった。
 部屋の中をうかがうように、こっそりとの覗き見れば、聖子さんが忙しそうに夕餉の支度をしていた。私はその背中に自分の母の面影を重ねながら声をかけた。

「あら、ラッキーちゃん? どうかしたの?」
「いえ、じっとしていられなくて……その、なっ何か、おおお手伝いできることって、ありますか!?」

 緊張で声を上ずらせながらも私は精一杯喉を絞って伝えたい思いを拙い言葉で届ける。すると、一度茫然とした聖子さんの表情がパァ、とお天道様のように輝いて笑顔を見せる。

「んまあ! そんな気を遣わなくてもいいのに」
「あ、そのじっとしてられないっていうだけで、その、私がやりたいだけと言いますか……あっ、お邪魔でなければ、夕飯の支度を一緒に、出来れば、嬉しいかと……」
「あらぁ、あらあら〜。嬉しいわぁ、今夜は人数も多くて、凝ったものも作りたかったから大変だと思ってたとこなのよぉ〜! ラッキーちゃんさえよければお願いしようかしらっ!」
「あ、もっ勿論です! 私の方こそありがとうございます!」

 ニッコリと微笑する聖子さんの顔をみると、とてもほっとして温かい気持ちになる。素敵だ。うちの、お母さんみたいで、本当に安心する。ああ、大好きになりそう。
 ……大好きです、聖子さん。
 私は喜びに全身を震わせながら、台所へと足を踏み入れた。食材が煮たるグツグツという音と、むわむわと立つ湯気、独特の熱気、トントンという一定のリズムで食材を刻む音――ああ、懐かしい。

「ラッキーちゃんって、苦手な食べ物とかある?」
「基本的には有りませんが、アレルギーがあって……」
「あら、そうなの?」
「はい。重度のそば粉アレルギーでして、おそばが食べられないんです……小さい頃、初めて食べておいしかったのに、その後、アレルギー反応起こして病院に運ばれちゃったんです」
「まあ……」
「おそば、凄く美味しいのに食べれなくて……ショックです」
「そうなの……それ以外は、大丈夫?」
「はい! 小麦粉も卵も牛乳も平気です」
「お料理はよくする方?」
「はい、その……母とよく並んでしてました」
「……そう! じゃあ、まずはこの野菜たちを切ってもらってもいいかしら? 私はこのかまぼこ群とお肉を切るから」
「はい!」

 一瞬、何故か聖子さんは言い淀むというか、妙な間を開けたがすぐに明るい調子で野菜を私に手渡し、自分はかまぼこを切り始めた。私も、あまり気に留めず、お母さんと並んで料理をしていた頃を思い出しながら、鼻歌を歌うように舞い上がった気分で野菜を切る作業を始めたのだった。


 * * *


 横で楽しそうに野菜を切るラッキーを一度横目で見ると、ホリィは人知れずホッと安堵のため息を漏らした。
 彼女、空条ホリィは、ラッキーがここを訪れる丁度10分前に、ジョセフ・ジョースターから事情を聞いていたのだった。その時に、同時に彼女のラッキー・フランクフルトが偽名であり、本名が戸軽幸子であることも聞いた。
 自分の父が《悪の化身》とまで言った《DIO》に、全てを奪われ、それだけでなく攫われたことにさえ、気づくことが出来ずに今まで過ごしてきたラッキー――いや、幸子。家族も、友人も、知り合いも、近所も、彼女に関わった人間全てを消し去られ、この世に存在していることを忘れ去られた幸子。
 彼女が自分の立場に気づいた時、一体どれほど辛い思いをしただろうか。きっと、気が狂いそうになっただろう。悲しみで押しつぶされてしまいそうになっただろう。それでも、横で野菜をきる彼女は、笑っている。楽しそうに、笑っているのだ。

 ――幸子は、大切な物を全て奪われた挙句、騙され、利用され、裏切られたんじゃ――
 父の言葉を思い出す。
 ホリィは、横の幸子のことを思うと、胸が張り裂けそうになった。

(少しでも、ラッキーちゃんの心の慰めになってあげたいわ……私に、なにかできることはないかしら?)

 もし、彼女が母親が恋しくなったのならば、喜んで代理を勤めよう。
 もし、彼女が友人を欲すれば、喜んで友人になろう。
 もし、彼女が泣きそうになったのならば、喜んで胸を貸そう。
 もし、彼女が、彼女が――

「あ、そうだわ!」
「?」

 幸子の横顔を眺め、ふと彼女の黒曜石のような髪を眺めていて思い立つ。
 ホリィは、手を洗い、前掛けで手を拭いながら一言幸子に断って台所を後にした。彼女が向かったのは、自室だった。その部屋のタンスへ小走りで駆け寄ると、彼女は一番上から三段目、左から二行目の小さな棚を開けた。そして、中にあったものを取り出すと急いで台所へと戻った。
 台所へもどると、もう幸子が野菜を切り終えて次の指示を待っている所であった。

「ラッキーちゃん、ちょっと来て、座ってくれないかしら」
「へ? あ、はいっ」

 ぽんぽん、と備え付けの小さな椅子を叩いて言えば、幸子は首を傾げながらも素直に頷いて駆け寄り、椅子に座った。流れるような黒髪にそっと触れながら、動かないように言うと、幸子はピシリとまるで石造のように姿勢を正して硬直した。そんな彼女に苦笑を漏らしつつ、ホリィはドレッサーから掻っ攫ってきた櫛を当てて、幸子の髪の毛を梳き始める。
 櫛を通す必要のないくらいにさらりと気持ちよく抜けてゆく髪。それを綺麗にまとめ上げると、ホリィはタンスから出して持ってきた真っ赤なリボンで結う。大きくちょうちょ結びをすれば完成だ。

「やっぱり、とっても可愛いわ!」

 出来栄えを見るために前へ移動すれば、まるで大和撫子のように質素だが可憐な姿の幸子と目が合い――ただ、着物やセーラー服でなくカッターシャツであることが残念だ――思わず心に抱いた感情をそのままにして言葉にする。すると、褒められた幸子はポッと頬を染めて俯いてしまった。

「ふふふ、みんな吃驚するわよー、可愛いって」
「え、いや、そっその……あああえっと、ゆっ夕飯! 夕飯の支度をしましょうっ、ね!」
「ふふふ、照れ屋さんねえ、ラッキーちゃんったらぁ〜っ」

 頬をプ二プ二と突くと更に顔を真っ赤にする。始めに会った時よりも、少しだけ表情が豊かになったような気がした。


 * * *


 久々に賑やかな夕餉(主に私の髪型へのジョセフさんの指摘)を迎え、私はほこほこと温かい気分になりながらお風呂に入った。日本のお風呂にはいるのは久しく、とても懐かしかった。
 与えられた部屋へ向かい、敷いた布団の上にすとん、と座り込んだ。暫くボーっとしても眠気は全く来ない。なんとなく、夜空を眺めたくなって、私は縁側に出た。辺りはシンと静まり返っており、ぬるい空気が漂う。夜空を見上げれば、月が見上げる私をあざ笑うかのように昇っていた。
 私は、手に握られている赤いリボンを見つめる。それは、今日、夕餉を作る手伝いをしているときに、聖子さんから貰ったものだった。彼女が若いときに付けていた物で、もしよかったならば使ってくれと言ってくれた。すごく、嬉しかった。恥ずかしくて、顔が熱くなってしまったが凄く幸せだった。

「あんな素敵なお母さんをもつ空条君が羨ましいな……」

 私にはもう、大好きな母さんがいないから。そう思うと、なんだかとても胸が苦しくなり、喉の奥が痙攣した。

「別に、うっとおしいだけだぞ」
「……えっ?」

 まさか、独り言に返事が返ってくるとは思わず、驚いて月から声のした方へと顔を向ける。お風呂上りなのか、学生帽を被らず、改造した学ランでなく緩い部屋着を着た、素足の空条君がこちらへペタペタと歩いて来るところだった。
 ゆったりとしたTシャツのお蔭か、初めて会ったときの番長のような雰囲気がいくらか緩和されている。帽子を被っていないので彼の髪型を漸く確認することが出来た――彼は、家の中でも帽子を被ったままなのだ。どんだけ気に入っているんだか――。
 癖毛はやはり、ジョースターさんやホリィさん似で、前髪がちょろりと出ている。なんだかちょっと色っぽいって思ってしまったのは、きっと、うん、気のせい。なんかムカつくから認めないもん。
 向かってくる彼を茫然と見上げていると、なんと、彼は私のとなりにどっかりと腰を下ろすではないか。正直なところ、私はアヴドゥルさんの言うように、男の人が苦手になっている。余り好い印象のない空条君と二人きりで縁側に座るこの状況は、ちょっと精神的に堪えた。
 私の苦手意識を知ってか知らずか、空条君は微妙な距離を保ったまま月を見上げた。私も同様に月を見上げる。

「……DIOって奴は」
「?」
「どんな奴なんだ」

 不意に言葉をポツリと漏らした彼の方を見れば、彼も私を見ていたようで、自然と目があった。
 無意識に、目を逸らすように俯いてしまう。

「じじいから事情は大体聞いた」

 おじいちゃん呼びじゃあなくなったんだ。ちょっと残念かも。
 空条君は、どうやら私がDIOのもとから逃げてきたことをジョースターさんから聞いたらしい。

「……そう、ですね……」

 私は、まだ辛いけれど、DIOと過ごした長くとも短い日々を思い出した。

「端的に言えば、《残酷な人》かな……」

 真っ赤な血の色をした瞳、氷のようにさめざめとした美しさ、陶器のように白い肌に、妖しい色気――そして、優しい、安らぐような声。

「あの人は、とても《闇》に敏感な人だった。人の《闇》を、本人よりも理解してしまうから、慰めるように優しく誘ってくる……そんな人」
「弱味につけこむ野郎か」
「そうとも、言えるね」

 きゅう、と私は膝を握る。
 思い出してしまいそうだ。彼との、残酷で幸せだった日々を。

「……あんたは、恨んだりしねーのかよ」
「……そう、だね……恨んでいるとは思う。でも、それ以上に悲しいんだ。世間では死んだことになっていた不安定な存在の私を、どんな目的があったとはいえ拾ってくれたから、信じたかったのかも」

 だめだ、語ってるうちに泣きそうになってきてしまう。
 私は、何とか適当に誤魔化してさっさと部屋に引っ込んでしまおうと考えた。空条君には悪いが、泣き顔を、見せたくはなかったのだ。

「なんで、あんたが罪の意識を感じる必要があんだよ」
「……え?」
「自分がわりぃって顔してるぞ」
「う、うそっ……」

 最初に言っておく。私は自分の顔がそんな顔をしていたから驚いたわけじゃあない。自分の思っていたことを見抜かれたことに驚いているのだ。
 空条君の目敏い指摘に、私は混乱した。けれど、すぐに落ち着きを取り戻す。

「……だって、止められなかったから」
「……」
「そっ、そもそも私が悪いんだ……だってこんな力を持ってたから、彼に目をつけられ、それで、かっ家族や村のみんな、友達まで……それで……」
「……」
「そ、それに現場を見たのは、吸血鬼と明かされたときだけだったけど、私は、知ってたの。DIOが、人の《命》をまるでパンを食べるかのように啜っていたのを……近くで見てた筈なのに、止められなかった」

 私は、まるで、言い訳のように言う。
 私は、まるで、戯言のように言う。
 私は、まるで、譫言のように言う。
 殺されることを恐れて、何も言えなかったと。
 再び闇の中に捨てられて一人になることが怖くて逆らえなかったと。
 嫌な癖に、目を逸らしてなかったことにしようとしていたと。
 支離滅裂な言の葉を並べて、私は、自分の気持ちを吐露した。そして、ハッと気が付く。自分は、身勝手にも彼にべらべらと弱音や愚痴を履いていたと。

「……あ、ごっごめん。まだ、頭の中で整理できてなかったみたいで……だいぶ、言ってること、訳分からないことになってたね……その……本当に、ごめんなさい」

 私が黙ると、あたりに再び静寂が戻る。私だけが感じているだろう重苦しい沈黙。寡黙な人なのか、空条君は口を開かない。ただ、暫く月を眺めていた後、ふらりと立ち上がる。

「……いつまでも起きてんじゃあねー。さっさと寝とけ」
「え、あ……はっはい……」

 私に寝るようにだけ言って、彼はノッシノッシと去って行った。

(……眩しいだなんて、気のせいだよ)

 私は、角を曲がって消えた空条君の背中から月へと視線を動かした。

「……DIOは、あんなにも優しかったのに、空条君は、とても冷たいもの」

 まるで甘やかすように優しく猫なで声で語りかけてくるDIOと、突っぱねるように低い声で背を向けてしまう空条君を思い浮かべ、私は吐露した。しかし、ふと気が付く。私は無意識に未だDIOを求めているということに。……馬鹿だ。捨てられたのに、未練がましい。我ながら、笑えてしまう。
 私の《時》は、あのDIOの館の中に囚われたまま、止まってしまっているようだ。

「夜はロクなことを考えないな。空条君の言うように、さっさと寝ちゃった方がいいかも」

 苦笑しながら立ち上がる。しかし、思わずピタリと動きを止めてしまった。

「……まさか空条君、そのことを気遣ってくれた……? 部屋だって全然違うのにわざわざ私のために……?」

 ――まさかね――
 もう一人の私が、安っぽい考えを吐き捨てるように言う。
 同年代なのに、とても大柄で闘気でも出しているんじゃあないかと疑ってしまう程の威圧感を出す空条君の背中を思い出しながら、私は部屋へと戻る。
 布団に入って眠るまで、私の頭の中にはDIOではなく、無表情で無愛想な空条君がいた。


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