24 | ナノ




2013/10/27 21:05


聞きたいことがあるならなんなりと聞いてください。ええ、私が答えられる範囲なら答えますよ。彼を殺した理由?決まってるじゃないですか、好きだからです。・・・彼が浮気?馬鹿なこといわないでください。彼は私をこれでもかというくらい慈しんでくれました。あの時感受した幸福は尊く、清いものです。まだ、わからないのですか?価値観の違いを理解することも大切ですよ。形あるものないもの、全ていつか灰になってしまいます。貴方は奥様の背中を見て殺したとは思わないのですか?・・・そうでしょうか。長年連れ添った愛すべき伴侶をこの手で絞め殺すのは、大変美味で、耽美は瞬間でしょうに。ああ、そう考えると彼を殺めるのは辞めておいたほうがよかったと悔やまれます。・・その時の様子ですか。そうですね、ずっと私の中の宝物になるでしょう。まるで死んだように寝ている彼に跨り、首に手をかけました。やはり女と男の首は違うのですね。力強く太い血管が手の中で脈を打っていましたよ。彼の顔が赤く腫れ、必死に私の腕を掴んでいました。あの時、高揚はついに上り詰めたような気がします。ナイフで殺すなんて、邪道です。愛しくて尊い人を殺めるならば、自分の腕で。悲しいところは、終わったあとの醜さですね。毒にしてしまったら、綺麗なままなのでしょうけれど。けれど残念なことに、私は薬にだってあの人を取られたくないのです。ナイフにも、縄にも。小説やドラマとかで愛する人を殺すシーンてあるじゃないですか。ナイフで殺す売女はともかく、毒殺なんて馬鹿だなあと思います。絞殺は愛するべきものものを殺すに最高の方法です。あら、もうお時間ですか。これはこれは。死刑でも良いですよ。私は、ただいま幸福の絶頂にあるのです。



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -