■ オルド様とおじちゃん

『オルド様っ!』

「なんだ姜麗」

私の目の前にいるのは燕の総大将オルド様。

私はにっこりと笑った。

『その兜被らせて!!』

ずっとオルド様の被っている兜の形状が気になっていたのだ。

オルド様は迷惑そうな表情もせず、兜を取ってくれた。

「姜麗は本当にガキだな!!」

そう言って豪快に笑うオルド様。

兜を被ると、ぶかぶかで大きすぎて目の前が見えない。

それを見てさらに笑うオルド様。

私は頬をふくらませた。


「おい」


私は兜をオルド様に返してばんざいをした。

『ねえオルド様!高い高いして!』

長身のオルド様は私を抱き上げ、上へ持ち上げる。

その高い景色に私はきゃっきゃと笑う。


「聞け」


オルド様は私を持ち上げたまま楽しそうに叫んだ。

「全く、姜麗はもう15だろう?なぜそんなに子供なのだ!」

『それはオルド様も子供だからだよー!』

下ろしてもらった私は椅子に座り込む。

「姜麗!俺の椅子だぞ!!」

『早いもの勝ちだもーん』

オルド様はぐぬぬと悔しそうな顔をするが、すぐに何かを思いついたように他の椅子を手に取る。

「俺は真ん中に座るからな!」

『あ!オルド様ずるーい!私も真ん中がいい!おじちゃんどいて!』


「お前ら、何をやっている」


私がおじちゃんと言った人物が低い声を出す。

『おじちゃん!真ん中は私なの』

「おじ!?……おい、お前は燕の総大将のオルドだな、この娘をなんとかしろ」

「んん?貴様は魏の呉鳳明か。なに姜麗は俺が止めても止まらんよ!」

オルド様はそう言って笑う。

『鳳明おじちゃん!オルド様の横の真ん中は私が座るの!』

「まず各国一人しか椅子には座れんし、俺はおじちゃんではない!まだ30代だ」

『私の二倍!おじちゃんじゃん!』

そういって私はけらけらと笑う。

「いや、姜麗がすまんな!しかしこう見えても腕は立つのだ」

オルド様は私の頭を撫でる。

『えへへ褒められちゃった!いいでしょ!鳳明おじちゃん!』

ぴょんぴょんとはねる私にため息をつく鳳明おじちゃん。

「……ああ、羨ましい限りだ」

「お主姜麗に折れたな!いやはや姜麗はやはりすごいな!魏の総大将までも呆れさせてしまうとは」

褒められている!

そう思った私は笑ってオルド様に飛びついた。

『うん!私すごいでしょ!だからずっとそばに置いてね!!』

鳳明おじちゃんは深く深くため息をついた。



「…誰でもいいから他国の者が来てくれんものか」



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