■ 愛して恋して

『蒙恬!』

「姜麗、どうしたんだ。なんでお前が」

早馬を飛ばしてきた私に駆け寄ってくる蒙恬。

私は馬を降りる。

『ごめんごめん、どうしても蒙恬に会いたくて』

そう言って本来の仕事である書簡を手渡す。

「嬉しい事言ってくれるね、ゆっくりしていきなよ」

そう言って私の手を引く蒙恬。


蒙恬の陣に入った私はとある少年がいることに気づく。

「誰だそいつ」

『誰、君』

私が睨むと相手も睨み返してくる。

「ちょっと信、俺の嫁さんにそんな目向けないでくれる?」

そう言い私の肩を抱き寄せる。

「はぁ!?嫁さん!お前結婚してたのかよ!!」

信は私と蒙恬を見比べる。

『まだ結婚してないんだけどねー許嫁ってやつだよ』

そう言ってえへへと笑う私を見て信はふんと鼻を鳴らす。

「まーいいんじゃねーの。帰るときに待ってるやつがいるってのは」

「どうしたの信、頭でも打った?」

驚く蒙恬。

こんなキャラじゃないのかな、信って。

「うっせー!蒙恬お前も嫁さん守りたいならしっかり強くなって安心させろよ!!」

そう言って照れながら信は出ていった。

蒙恬は驚いてその背中を見つめる。

『信って、いいやつ……だよね?』

「ああ、俺も驚いたよ」

蒙恬は私の方を向く。

「改めていうよ。俺はお前を置いて死なない。だからお前も待っていてくれ」

そう言って私の口に自分のそれをつける。

私は少し顔を赤くする。

『わ、私だって立派な将軍の嫁として頑張るから!』

そして私たちはもう一度口づけをした。



「羌カイ、あいつらちゅーしてんぞ、ちゅー」

「口づけをすると心がズキュンとすると聞いた……」

「は?お前何言ってんだ 」



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