■ 恋愛指南

私は信の部隊、飛信隊に所属する軍人。

入ってしばらくすると百人将に任命されたこともあって、信と話していた時だった。

「お前、強いのか」

『君は羌カイ……だっけ』

話しかけてきたのは独特な服装で背中に剣を背負った少女。

歳は私とほぼ変わらない。

「ああ、お前は姜麗と言ったな」

『名前覚えてくれてるんだ、嬉しいな』

別に強くないよーと笑いながら言う。

私は敬語は使わない。

そりゃ桓騎将軍とか騰将軍なんかにゃ少しは敬語使うよ?

でも飛信隊は友達感覚なんだよね。

「お前と勝負がしたい」

『え、だから私強くないっての』

「いいから」

ぐい、と私の腕を引っ張る羌カイ。

「おーい、羌カイ虐めてやんなよー」

信が笑って遠くから呼びかけてくる。

え、なに私いじめられるの。

怖いんだけど。


人目につかないところに来たときだった。

羌カイは私の近くにより、ぼそっと呟く。

「し、信のこと、好きなのか」

『え』

少し目をそらす羌カイが可愛くて。

私は思わず笑ってしまった。

『そんなはずないよ。私は信と村が近かったってだけ』

そう言うと、羌カイは少し気まずそうにした。

「信にはこのこと、言わないでくれるか」

『あー羌カイが信のことを好きってこと?』

「なっ、違う」

慌てる姜カイ。

なんだか妹みたい。

『いいよいいよ、私が男の落とし方ってのを教えてあげるからさ』

「落とし方……?」

『信の心を掴んできなよ!』

そう言って私は羌カイの肩に手を乗せる。

嫌がられるかとも思ったが、振り払われることは無い。

「お、教えてくれるのか」

『もちろん、同じ飛信隊の女じゃんか』

「姜麗、ありがとう」


この日を境に私と羌カイはとても仲良くなってしまったのだった。



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