2.答えはノーだよ
 

こういっては鷹くんの評価を下げることになりそうなんだけど…。

鷹くんは独占欲っていうのが少ない、気がする。

もちろん私は束縛が大嫌いだからそっちのほうがありがたいんだけど。

少しは私のことを気にかけてもらいたい、っていうのは彼女のわがままなのかな。


「おはよう」

『お、おはよう!』

ほら、やっぱり今日もだ。

昨日、見せつけるためにわざとらしく大和くんと仲良さげに話してたのに、そのことにふれてもくれない。

彼女としての魅力がないんだろうか。

それとも、私の貧相な胸が原因??
もっと大きい方が好き…とか。

そんなことを考えていたら、すれ違ったはずの鷹くんが目の前にいた。

『どどどどうしたの!?』

「何か、言いたそうだったでしょ?」

私は目を泳がせる。
もちろん鷹くんはそれくらいじゃごまかせない。

私は思い切って言った。


『鷹くんは、私が他の男の人と喋っても…嫌じゃないんでしょ?』

「は?」

『だって、私が昨日大和くんと…』

私の言葉は鷹くんの口によって制せられた。

え…鷹くんの口…私の口と触れあってる!?


い、いわゆるキスというやつで…。

経験のない私はパニックになる。
ここは廊下だよ!?
こんな人目がある場所で!!


「まずは…最初の質問だよね?」


鷹くんは私から少し離れる。


(答えは、ノーだよ)



「嫌に決まってる。独占したくて、でも嫌がるだろうから自分を自制してる」

鷹くんはため息をつく。

「これからは、自制する必要はなさそうだね?」


ふふっと微笑む鷹くんに、私は無心に頷くことしかできなかった。



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