4.好きなら嫉妬するに決まってる
 

「先輩お疲れ様ですっ!」

私はドリンクを手渡す。

マネージャーではないのたが、ヘラクレス先輩から気に入られてしまって、臨時で手伝っている。

「すまんなあ!」

がっはっはと笑うヘラクレス先輩にこちらも笑いを誘われる。

「ドリンクくれるかい?」

サングラスを押し上げながらやってきたのは天間先輩。

「あ、はい!どうぞ」

「サンキュー!愛してるぜ!!」

投げキッスをして去っていく天間先輩を苦笑いで見送る。

「どうや?マネやる気になってくれたか?」

「い、いや…それはちょっと」

「はっはっは!ぼちぼち考えてくれとったらええ!」

ヘラクレス先輩は、ほな!と言って去っていった。

ドリンクをあらかた配り終え、再度準備を始めようとする。

急に後ろから抱きしめられる。

「うわっ!や、大和君!?」

「ドリンクくれるかい?」

抱きしめる腕の力が強いので、プロテクターが少し痛い。

「大和君、力強すぎるよ!」

身を捩ると仕方なく離してくれる大和君。

「先輩達と仲が良いんだね」

「駄目なの?」

「うーん、駄目と言う訳じゃないんだけど」

大和君は少し困ったように笑った。


「俺は君のことが好きだから」

「あ、ありがとう…」

大和君は首を振る。

「分かってないな」


そして背を屈め、額を私の額にぶつけた。


(好きなら嫉妬するに決まってる)



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