18th down
王城につくまで二人はずっと黙っていた。

学校につき、清十郎は簡易シャワーを浴びに行った。

清香は練習から上がった選手たちの中から猫山を見つけ出す。

『猫山くん、自転車ありがとうね』

「いえ、サドルは大丈夫でしたか?」

清香はニコリと笑って答えた。

『ちょうど良かったよ?今度からも時々借りちゃうかもしれないけど、そのときは宜しくね』

「は、はいっ!」

猫山は清香を見て少し顔を赤らめる。

『今日はもう上がりだよね?お疲れ様』

そういい、シャワールームへと向かう清香。

残された猫山はその後ろ姿をじっと眺めていた。



「猫山、少しいいか?」

急に声をかけられた猫山は肩をびくりと震わせ、後ろを向く。

「な、なんですか高見さんっ」

声をかけた高見は猫山の反応に驚く。

「どうしたんだ?」

「い、いえ…」

高見は猫山の手に握られている自転車の鍵を見た。

ふと顔をあげると、シャワールームへと向かっている清香が目に入った。

「清香が気になるのか?」

高見は微笑んだ。
清香に対する後輩の反応が新鮮に感じた。

「そんなことないですっ!」

慌てて否定する猫山。

「ふっ…まあいいよ。ところでお前のRBとしてのポジションなんだが、進が攻撃に加わる際に少し場所を変えたいんだ」

「進さん…攻撃に加わるんですか?」

猫山は驚いて高見を見た。

「ああ。清香が提案してきたんだ」

「清香先輩が…?」

高見は眼鏡をクイと上げて笑った。

「本当に清香は色々…進のためにやっているよ」

高見は進という単語を言う直前に少し間を空ける。

猫山はそんな高見を見て首を傾げるのだった。


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bkm



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