7th down
校内に入り、数人の生徒とすれ違う。
そのたびに二度見される清香。

『私って不審者に見える?』

清香は至極真面目に聞いた。

伊知郎はその質問に吹き出す。

「なハズないだろう?…そうだね。考えられるのは清香が進にそっくりだからじゃないかな」

そっか…と呟く清香。
別に弟に似ていると言われるのは慣れている。

しばらく歩くと、講堂のような場所に出る。
アメフトの選手らしい人が数人トレーニングしていた。

「部室についたな」
『え、ここ部室っ!?』

ステンドグラスが煌びやかに光を部室内に注ぎ込んでいる。

顧問室だろうか、隅の方の部屋から庄司が出て来た。

『監督!』
「きたか。入学案内の資料は用意しておいた。入ると良い」

清香は高見に手を振ると庄司と一緒に部屋に入っていった。

手を振り返す高見の横にトレーニングしていた選手の1人、神前瞬がやってくる。

「高見さん、今のは誰ですか?やけに親しそうでしたね。それに進に似ていましたが…」
「ああ、後で解るさ」

高見は少し口角を上げ、清香が去っていった方向を見た。


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