その翌日の部活で清香は高見と相談した内容を清十郎へと報告した。
「高見さんの了承を得たか」
『うん、伊知郎も同じことを考えてたみたい』
そういうとおもむろに着替え始める清十郎。
『ねえ、普通女の子の目の前で服脱いじゃう?』
清十郎は黙り込み、清香を見つめた。
そして何かに気づいたように慌ててパーカーを羽織る。
「別に…い、いいだろう。清香は家族なのだから」
そういいつつも顔をそらす清十郎。
『女の子慣れしてないのかな』
それを見て清香はクスリと笑ったのだった。
『そういえば、私が清十郎のスタミナ作り手伝うって言ったでしょ?トレーニングにも付き合うから』
清十郎がパーカーに着替えたということは、走り込みしかない。
河川敷周辺を走るのが日課ということは清香も良く知っていた。
清香と清十郎は校門から出る。
清香の横には自転車もあった。
『自転車通学の猫山くんから借りたの。バイクじゃ早すぎるしね。私も体力をアメリカにいたころの量に戻したいし』
「なるほどな」
そう答えると走り出す清十郎。
清香は慌ててそれを追いかけた。
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