12th down
家について晩ご飯を食べ終えた後も、清香と清十郎は二人で今後のことを考案していた。

ノートを清十郎の部屋に持ち込む清香。
清十郎はいつものようにベッドの上でダンベルを持ち上げていた。

『清十郎はまずスタミナをつけてね。そうしないと、今から清十郎がしようと思っていることが何もできないんだから』


フローリングに座り込むと、清香は話し始める。


清十郎が攻撃に加わるとすると、伊知郎ともフォーメーションの相談をしなきゃな。
そのためには春人が帰ってくることが必要だよね。


しかし清香の脳裏には、清十郎を悲しげに見つめる桜庭の姿が残っていた。

『さっき連絡がきたよ。春人は春季関東大会には間に合うんだって』

「…そうか」

『…』

清香は横にいる清十郎を覗き込んだ。

「どうした」

なんでもない、と向き直る清香。


清十郎は春人のことをどう思っているのだろうか。
きっと春人が今考えているのは私が昔、清十郎に対して持っていた気持ちと同じ。

だから私には春人の気持ちが少し理解できる。


『あとは当人の気持ち次第…か』

清香はベッドに寄りかかる。

ギシッとベッドが軋む。

その言葉を清十郎が聞いていたのか聞こえていなかったか、清香には分からなかった。



prevnext

(12/22)

bkm



back(表紙へ戻ります)
top

※章内ページ一覧へは
ブラウザバックでお戻りください
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -