両選手がそれぞれのベンチに向かってお辞儀をするためにグラウンドへと出て行く。
清香の横にいた清十郎も出ようとする。
それを止める清香。
『清十郎、アイシールド21に宣戦布告してきなよ。次は勝つって』
「無論だ。次は秋大会、クリスマスボウルへ向けて戦うことになるだろう。さらに厳しい戦いになる」
清十郎は答えた。
アイシールド21と清十郎がすれ違う瞬間、清十郎の口がかすかに動く。
清香は斜め前にいた庄司監督をみる。
やっぱり清十郎の気持ちに気づいてる。
さすがだな、監督…
清香はそう思い、笑った。
選手達が着替え始め、清香と小春が荷物をバスに運び入れているときだった。
庄司の電話が鳴る。
『…春人!』
庄司は無言で頷き、電話に出る。
ちらりと帰っている観客を眺めると、神龍寺がいる。
どうやらこちらに気づいてはいないらしい。
阿含と雲水が何かを話している。
王城の黄金時代の話だろうか。
清香は黄金時代の話を聞いたことがあるものの、どんなプレーをするチームなのかは見たことがなかった。
そのことについてしばらく考えていると、庄司が電話を切る。
「城下町病院だ。容態がわかり次第、清香の携帯に連絡してやる」
清香が桜庭を気にしていたことが分かっていたのか、庄司は清香を見て言った。
『ありがとうございます!』
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