8th down
清十郎はアイシールドを追う。

大丈夫、追いつける。


清十郎がその右腕を伸ばした。

『やった…!』

しかし、アイシールドは急に加速する。

誰もが目を見開いた。


『え』


嘘、でしょ。

清十郎が抜かれた。

おそらくスピードは4秒前半、いや確実に清十郎より速い。


タッチダウンのコールが響き、王城ベンチ陣は立ち尽くす。


「進が抜かれた…」

清香の隣にいた高見は呆然としている。


泥門の攻撃が終わり、清十郎が戻ってくる。

その目は明らかにアイシールドに向けられていた。


悔しいんだね。


清香は思った。

こんな清十郎を見るのは久しぶりだ。

今話しかけてはいけない。
そんな気がして、清香は清十郎に話しかけなかった。

王城は桜庭の代わりに入った一年がタッチダウンを返す。


そして試合終了のホイッスルが鳴り響いた。


prevnext

(8/22)

bkm



back(表紙へ戻ります)
top

※章内ページ一覧へは
ブラウザバックでお戻りください
×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -