清香はアイシールドを見た。
『あれ…』
顔つきが変わっている。
いや、姿勢が変わったからか。
さきほどベンチで見たようなひ弱さは感じられなかった。
『清十郎…』
ポジションについている血を分けた弟を遠目から眺める清香。
不安が渦巻いていた。
勝っている。
攻撃力はそれほどない。
守備力はなおさらだ。
ではなぜこのような不安があるのか。
清香には分からなかった。
ボールがアイシールドに手渡された。
と同時にライン陣が道をこじ開ける。
『うそ…でしょ!?』
あの大田原さんが…力負け!?
大田原は泥門の77番栗田に倒される。
清十郎も巻き込まれてしまった。
そこを抜くアイシールド。
清十郎はそれを追った。
距離は4ヤードほど離れている。
清十郎ならば追いつける。
清香は確信していた。
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