5th down
アイシールドのスピードはどんどん上がっていく。

清十郎は本気で止めに行く。

『楽しそうだな、清十郎』

本気で止める相手がいるというのは本当に嬉しいことである。

「珍しいな…進がムキになるとは」

庄司が呟く。
理由を知っている清香は苦笑いした。

『向こうの1番、アイシールドと清十郎が一騎打ち出来るようにしてますよ』

「進を抜くことはできんだろう」

『おそらくは』

その二人の会話を聞く桜庭。
俯き、頭を抱える。

時計は残り2:51。

清香はふと桜庭をみる。

『春人…?』


そのときだった。

桜庭が剥がれたシールを拾うため、グラウンドへと出ようとする。

『ちょっと、春人!?』

「清香、危ない!」

慌てて寄ろうとすると、急に誰かから引っ張られる。

びっくりしてその人物を見ようと桜庭から目をそらす。

すると同時にアイシールド21がベンチへと突っ込んでくる。

声が出なかった。

目の前で桜庭が突き飛ばされて倒れる。

観客席から悲鳴が飛ぶ。

『い、伊知郎。ありがとう』

先ほど清香を庇った人物、つまり高見は安堵する。

しかしすぐに桜庭を見て、顔を青ざめる。

『は、春人…!救急車!!』

急いで駆け寄り患部をファンに見せないように着ていたジャージをかける清香。

ミラクル伊藤がスタッフと共に車まで桜庭を運んでゆく。

試合は一時中断していた。



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bkm



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