王城の攻撃が始まり、清十郎がベンチに戻ってくる。
蛭魔との最後の会話が聞き取れていなかった清香。
清十郎に尋ねた。
『妖一となに話してたの?』
「大したことではない」
清十郎はこれ以上話す気がなさそうで、清香もこれ以上は聞かなかった。
『清十郎って40ヤード走4.4だっけ』
清十郎は首を縦に振る。
『清十郎より速いって、4.3とか?』
「簡単に言えることではない」
『そうだね。私も速くて4.6しか知らないな』
向かいの泥門ベンチにはアイシールドがいる。
インターセプトは諦めたようだ。
『もしかして、清十郎を抜く方法が分かったのかな』
清香は少し笑った。
それならば面白い。
清十郎は何も答えなかった。
高見の投げたボールは桜庭ではなく、別のパス要員に。
桜庭は地面を殴りつけた。
泥門の攻撃、つまりは王城の守備が始まろうとしたとき、蛭魔が荷物を持つ。
『あれ、帰るのかな』
少しもめていたようだが、しばらくして蛭魔はもう一度ヘルメットをかぶる。
『やっぱ出るんだ。そうこないとね』
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