後半の泥門の攻撃が始まり、清十郎のタックルは勢いを増していく。
清香はストップウォッチを見た。
『あのアイシールド、タックルを受けてから立ち直る時間が早くなっていってる』
ベンチに座っていた桜庭が清香に尋ねる。
「それ、受け身がうまくなってるってこと?」
『うん。清十郎を抜こうとしてるから、遠くなってる分清十郎のタックルの勢いが弱まってるのかも』
泥門は点を取れずに攻撃を終えた。
次は王城の攻撃。
清十郎と入れ替わるように桜庭はグラウンドへ出て行った。
清香は黙って桜庭を見つめる。
それに気づく清十郎。
清香に尋ねた。
「どうした」
『え?どうしたの』
清十郎は答える。
「桜庭がどうかしたか」
清香は少しため息を付いた。
『なんていうか、春人…悩んでない?』
「悩んでいる?」
清香は首を振った。
『ううん。なんでもない』
清十郎は黙り込み、清香と一緒に試合を見つめた。
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