清香が王城ベンチに戻ると、庄司が桜庭に怒鳴っていた。
あのときのお手玉のことだろう。
清香は考えた。
桜庭のヘルメットについていたシールを引っ剥がし、投げ捨てる庄司。
それを小春がキャッチする。
清香はこっそりと小春に尋ねた。
『春人って、仕事のためにアメフトやってるの?』
「そんなことないと思いますけど、ちょっと最近練習を休みがちな気もしますね」
桜庭はジャリプロの社長に連れて行かれる。
清香は溜め息をついた。
『チームの士気に関わらなければいいけど。はっきりさせないと後々困るよ』
清香はふとグローブを調整している清十郎を見た。
アイシールド21の正体を言うべきなのか。
蛭魔にバラされるのは別に大したことじゃない。
多分清十郎はアイシールドの正体を言ったとしても、対応は変わらない。
清香は黙っておこうと心に決めた。
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