5th down
清香は自分を引き止める人物を見た。

金髪のとがった髪にピアス。
鋭くつり上がった目は清香を捉えていた。


『……誰?』
清香は手を振り解いた。

自分は神龍寺生としてこの場にいる。
男装しているのに何故この男は自分の正体に気づいた?

清香は考えた。

しかしすぐに清十郎に視線を戻す。


『いない〜!?』

まだ金髪男がこちらを見ていたので、後で話そうと呟いた。

金髪男は頷くと試合に戻っていった。



試合が再開され、残り時間は9秒。

アイシールドをつけた21番に金髪男のボールが渡り、走り出す。

『……逆だし』

21番は逆走していた。
金髪男にどやされ、元のコースへと戻り、再び走り出す。


『なんだ…こいつ』

4秒8…?いや、清十郎を越えているかもしれない。

清香は息を飲む。


タッチダウンと同時に試合が終了した。
スコアは6-3。
泥門の逆転勝ちだ。

歓声が巻き起こり、清香も拍手を送る。


『でもアイシールド21って』

「おい、てめぇ」

先程の声が聞こえる。
振り向くと金髪男がいた。

『何ですか?泥門の1番さん』

「しらばっくれんな。どうしてここにいる?アメリカにいるはずだろうが。」

『…あ。私のこと知ってる人?短期留学だったから帰ってきたんだよ』

清香はホッとした表情で金髪男に答える。

「で、神龍寺ってワケか?女だろうが」

うっ…と言葉に詰まる清香。

『色々あってさ。追求しないでほしいな。ところで名前は?』

「…蛭魔妖一」

『妖一ね。よろしく』

握手をし、メアドを交換した清香。



じゃあ、と裏門から出て行った。


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