21st down
「いつしかその少女は高速ランナーに惹かれていった。高速ランナーも献身的な少女に惹かれていた」

清香は蛭魔を軽く睨む。

「それが、お前とアイシールド21の関係だ。違うか?」

清香は間をおき、肩をすくめる。

『残念。惜しいってとこかな。これは取引材料にはならないよ』

それにしてもよくそれほどの情報を集めるね、と感心する清香。

「まあ向こうで背番号41番を貰ってたことは分かってんだ」

『うわ…そんなことも知ってるの』

「本物のアイシールドの話、あの糞チビにはすんなよ。まだ本物のアイシールドのことを俺のハッタリだと思ってやがる」

清香はトイレの方向へ駆けてゆく少年を再度見た。

『いつか、バレるよ』

「そのときはそのときだ」

清香はふうと息をつく。

『じゃあ、私は戻るね』

お互い試合、頑張ろうねといい、泥門ベンチに背を向ける清香。

蛭魔にマネージャーである姉崎まもりが近寄る。

「蛭魔くん、あの女の子誰なの?」

「王城の…マネージャーだ」


蛭魔は少し口ごもってそう答えた。



_to be continued


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