『私がこの神龍寺に来たのは、14歳のとき。その理由は今は言えないけど、それから一年後、私は性別を偽って入学し、一年間この学校に在籍していた』
「清香を入学させたのはわしじゃ。共学にするべきか迷っていたとき、この娘が現れた。わしは検証するために利用したのじゃ」
仙洞田監督は清香の説明に付け加える。
確かに納得のいく内容だった。
『そして、私はやっと自分の進むべき道を決めた。だから、その道を進むために王城へと転校した』
皆は黙っている。
「皆に黙っていろと言ったのはわしじゃ。すまんの」
『本当にごめんなさい』
清香は深々と土下座をした。
山伏先輩達は慌てて清香の頭を上げさせる。
「いなくなるのは寂しいが、怒ってなどおらんよ」
「そうだぜ!気にすんなよな」
「だが、女と分かると一気に近寄りがたくなっちゃいますね」
先輩や同級生達が話しかけてきてくれる。
清香は嬉しかった。
さあ部活じゃ、という仙洞田監督の声で、偵察メンバー以外の選手は清香に一言ずつ挨拶をし、講堂から出て行く。
しかし、一休だけはその場に残っていた。
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