5th down
今日は泥門戦。

清香は清十郎と共に家を出た。


『ふあー…』

「寝不足か」

『いや、それもあるんだけど…今から神龍寺に行くのが憂鬱で』

清十郎は顔をしかめた。

「仕方ないだろう。自分で蒔いた種だ」

『分かってるって、試合前には戻るから』

そういって、玄関においてある原チャリにキーを差し込む。

「ああ」



神奈川の神龍寺につく。

清香は門前に原チャリを停めると、長い長い階段を見上げる。

『きっついな…』



ゼェハァと階段を上る清香。
体力が落ちたのだろうか、今まではあまり息が乱れなかったのに。

携帯に着信がくる。

急いで取り出すと、ディスプレイには“阿含”の文字。

『も、もしもし』
「今どこにいやがる!」

怒鳴られ、ムカッとする清香。

『神龍寺の正門!』

「ちゃんと約束守ってやがるな。俺らは講堂の横にいるぜ」

『当たり前じゃん、今誰がいるの?』

プツッと切れる携帯。
清香の血管も切れそうだった。


講堂の横の少し開けた場所に道着を着た生徒達が大勢いた。

『は、入りづらい』

ふと後ろに気配を感じ振り返ると、仙洞田監督がいた。

『先生!』

「待っておったよ清香…」

仙洞田監督の呼びかけで、生徒は講堂に入る。

清香も仙洞田監督と共に講堂へ入る。

いつもは絶対にいない阿含ですら、雲水の隣に気怠そうにあぐらをかいている。



「今日は泥門と王城の試合である」

静まり返った講堂に仙洞田監督の声だけが響く。

「しかし、試合に行く前にまずは我らが神龍寺元生徒、進藤から話があるとのことだ」

清香の今の格好はジャージ。
神龍寺では隠すためにさらしを巻いていたが、今は巻いていない。

清香はゆっくりと口を開いた。


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bkm



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